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日経BP『ユニクロ』 人間ドラマという切り口で描くユニクロの群像劇

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仲間とともに、愚直な「足し算」を希望につなげる

 本書は、ファーストリテイリング、そして柳井正氏の全面協力のもと、足かけ3年にわたる長期取材に基づいて書き上げたもので、輝かしい成功だけでなく、メインバンクとの確執や一時ブラック企業批判にさらされた点にも触れるなど、影の側面も冷徹に描いている。

 著者は長年にわたり日本経済新聞で産業分野を取材してきた編集委員・杉本貴司氏。IT起業家の野望や苦悩に迫る『ネット興亡記 敗れざる者たち』(日本経済新聞出版)など新聞連載時、掲載された日は必ずツイッター(現X)のトレンド上位にあがった人気記者が、「無気力な柳井青年が覚醒し、いかに夢を追い求めていったのか」、「現状を否定し、それを超えるための苦悩」、「ユニクロはどうやって生まれたのか」、「どこにでもあるさびれた商店街の紳士服店がなぜ世界的なアパレル企業になりえたのか」など、地道に坂道を登ってきた「ユニクロ物語」を紐解いていく。

 成功企業としてユニクロを取り上げ、分析したビジネス書はたくさんあるが、その挫折と成功を繰り返す波瀾万丈の歩みをエンタテインメントとして結実させた書籍は他に見当たらない。

 ユニクロファン、アンチユニクロ派ともに引き込まれる人間ドラマであり、どこにでもいそうな普通の青年が大成功を収める内容は、多くの働く人にとって希望の物語としても読めるだろう。ノンフィクション好きはもちろん、これから夢を抱いて何かに挑戦しようとする人にも手に取ってもらいたい。

 同社では4月から5月にかけて、日経新聞朝刊で複数回広告出稿を予定。POPやA4パネルも用意している。

人間ドラマという切り口で描くユニクロの群像劇

日経BOOKSユニット 第1編集部部長
赤木裕介

 友人のアパートに居候してマージャンやパチンコに明け暮れた大学時代。卒業後、コネで入社した小売店をわずか9か月で辞め、実家の紳士服店を継いだものの、鳴かず飛ばず。古参社員にも見限られ、くすぶり続ける日々……。

 どこにでもいそうなさえない青年は、いかにして覚醒し、「柳井正」になったのか。この本は、数々の挫折を乗り越えた柳井氏の成功物語であり、共に戦う同志たちとの群像劇であり、読み始めたら止まらない一級のエンタテインメントです。それと同時に、「失われた30年」を言い訳にすることなくグローバル企業へと歩み続けたユニクロの真実に迫る経営書でもあります。

 膨大な取材に裏打ちされた、圧倒的な語り口。私もゲラをめくる手がとまりませんでした。ぜひ、みなさんにもこの興奮を味わっていただきたいと思います。

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