「安い」「早い」だけじゃない!作り手にやさしいレシピ本
表紙に載っている「アボカド漬け丼」は、なんと火さえ使わない。ほかにも、白だしに漬けるだけの「大葉の浅漬け」、電子レンジだけで作れる「半熟カマンベールカルボナーラ」など、<最短で最高の味が作れる>という帯文に偽りのないレシピが並ぶ。
著者のTwitterフォロワーは140万人を超え、本書も現在13刷11万4千部となり、著者史上最高部数を突破。これほどまでに「悪魔のレシピ」が受け入られる理由は、どこにあるのだろう? 担当編集者に聞くと、「リュウジさんのレシピは、実はとてもやさしいんです」という答えが返ってきた。
本書に込められた、著者からの「やさしい」メッセージ
本書の<はじめに>にはこんなことが書かれてある。
「みんなもう、すごく頑張ってると思うんです。ちゃんと働いて、勉強して、家事して、それだけでスタンディングオベーションです。毎日料理をしている人たちの大半は好きでやっているわけではなく、家族のため節約のため、何らかの理由で頑張っている。僕はそういう人たちを応援したい。料理くらいは頑張らなくていいものにしたい。でも、味はおいしい方が絶対いい。」
この<はじめに>を読んで「泣いた」という読者ハガキも届いたという。
<人をダメにするウマさ>という謳い文句だが、その実は掲載レシピの半数が低糖質の「天使のレシピ」という点も、作り手の生活への配慮が伺える。
確かな美味しさの裏に丁寧に練り込まれた実用性こそが、本書のヒットの理由なのかもしれない。
『ひと口で人間をダメにするウマさ!リュウジ式 悪魔のレシピ』(ライツ社)
A5変/128ページ/本体1300円
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