株式会社KADOKAWAは1月5日、インドネシア最大手の出版社グループと最大の書店網を有するPT Gramedia Asri Mediaとの間で、マンガ・ライトノベルなどのインドネシア語翻訳出版事業、関連グッズの販売事業、デジタルプラットフォーム運営事業の共同展開を目的とする合弁会社を設立することに合意した。
新会社設立は、KADOKAWAの持つIP展開力やデジタルプラットフォーム運営ノウハウと、Gramediaの持つ出版インフラとを組み合わせることにより、新会社のコンテンツ事業を加速度的に拡大させ、インドネシア最大のACGコンテンツプロバイダーを目指す。
新会社の名称はPT PHOENIX GRAMEDIA INDONESIA。所在地はインドネシア共和国ジャカルタ。設立は2024年1月予定。事業内容はインドネシア語のマンガ・ライトノベルの出版関連グッズの販売など。株主構成はKADOKAWA51%、PT Gramedia Asri Media(Kompas Gramediaグループの出版・小売部門統括会社)49%。
KADOKAWAグループは、多彩なポートフォリオからなるIPを安定的に創出し、世界に広く展開することを中核とした「グローバル・メディアミックス with Technology」を推進し、北米・アジアを中心に海外拠点の事業基盤強化・拡大を進めている。23年11月に発表した新たな中期経営計画においては、最終年度の28年3月期の海外売上高700億円の目標を掲げている。
インドネシアは世界第4位の人口を誇り、人口に占める若年層の割合が高い。ACGコンテンツ(アニメ・コミック・ゲームに関するコンテンツ)、特に日本IPの人気が高まっていることから、KADOKAWAは同国市場に直接進出することで、海外売上高をさらに伸長させる。
Kompas Gramediaグループに属するGramediaは、インドネシア最大の出版社グループであるとともに、インドネシア全土に123店舗を展開する書店網も持つ。また、書籍の出版・取次・小売りまでの出版インフラ全てをグループ内で保持している。
GramediaのPriyo Utomo CEOであるPriyo Utomo氏、KADOKAWAの夏野剛代表執行役社長CEOは、次のコメントを発表した。
PriyoUtomo(Gramedia)
インドネシアでは、近年若年層の人口が増えるとともに、マンガ・ライトノベル市場の目覚ましい成長が続いています。そうした中で、東南アジアにおける展開実績が豊富なKADOKAWAと合弁会社を設立し、お互いのノウハウを共有することで、インドネシアにおいてコンテンツ事業を共に拡大していけることを期待しています。
夏野剛氏(KADOKAWA)
インドネシアで日本のコンテンツ事業展開をリードするGramediaと提携できることは、当社の海外展開の拡大にとって大変重要であり、嬉しく思います。同国出版市場におけるKADOKAWAのIP展開の拡大余地が十分見込まれることに加えて、将来的にはデジタルプラットフォーム運営事業における協業も進めることで、両グループが生み出すシナジーの最大化を図っていきたいと思います。
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