丸善ジュンク堂書店各店は10月18日、全国の書店スタッフの投票による「書店員が選ぶ ノンフィクション大賞 2024」の大賞作品が三宅香帆著『なぜ働いていると本が読めなくなるのか』(集英社新書)に決定したと発表した。投票には全国から20法人以上、481名の書店員が参加した。
著者で文芸評論家の三宅氏は1994年高知県生まれ。京都大学大学院人間・環境学研究科博士前期課程修了(専門は萬葉集)。著作に『ずっと幸せなら本なんて読まなかった―人生の悩み・苦しみに効く名作33』(幻冬舎新書)、 『「好き」を言語化する技術―推しの素晴らしさを語りたいのに「やばい!」しかでてこない』(ディスカヴァー・トゥエンティワン)、『30日de源氏物語』(亜紀書房)、『娘が母を殺すには?』(PLANETS)などがある。
大賞受賞作は兼業で執筆活動をおこなってきた著者が、労働と読書の歴史をひもとき、日本人の「仕事と読書」のあり方の変遷を辿る作品。
丸善ジュンク堂書店は11月13日19時~20時、東京・豊島区のジュンク堂書店池袋本店9階イベントスペースで受賞記念のトークイベントを開催する。チケットは後日、丸善ジュンク堂書店オンラインイベントサイトで販売する予定。
同賞は丸善ジュンク堂書店をはじめとする日本全国の書店員が、対象期間中に発行されたノンフィクションのなかで最も「売りたい」と思う作品を選ぶ賞。第1回目の2023年は対象期間を設けない「オールタイムベスト」で選考、24年からは年ごとに年度ベストを選定。24年はノミネートされた40作品に対して、9月1日~20日の期間、全国の書店員に投票を募り大賞を決定した。
三宅香帆氏の受賞コメント
働いている人が、書店に行きたくなる本を書きたい、……その一心で書いた本でした。
今回の受賞は「この謎の新書を売ってみるか」と賭けてくださった、ひとりひとりの書店員さんのおかげです。
いま、書店が厳しい状況に置かれているニュースを耳にするたび、胸が痛くなります。
日本中で「あの本を買いたい」と書店へ足を運ぶ方を増やすことが、自分のミッションだと思っています。
あなたが本を読みたくなる本を、これからも書き続けます。本当にありがとうございました!
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