第68回江戸川乱歩賞、史上最年少の受賞作!
【内容紹介】日本に小惑星「テロス」が衝突することが発表され、大混乱に陥る世界。そんなパニックをよそに、主人公・小春は無法地帯と化した太宰府で小さな夢を叶えるため、淡々とひとり自動車の教習を受け続けている。そして年末、小春はある教習車のトランクを開け、滅多刺しにされた女性の死体を発見する。元刑事の女性教官・イサガワとともに、滅びゆく世界に残された歪んだ正義と希望を見届けるべく、小春は地球最後の謎解きを始める。乱歩賞の選考委員に満場一致で選ばれた、「大新人時代」の超本命!
啓林堂書店生駒店 S.M
世界が終わるという非日常が日常のように描かれていて引き込まれました。さらに殺人が起こる。SFとミステリの融合でとても夢中になれました。犯人が分かる直前もハラハラドキドキしてページをめくる手が止まりませんでした。
文信堂書店長岡店 實山 美穂
初めのシーンから、会話の端々に現れる不穏さにゾクゾクします。なぜこんな時に、こんなところで殺人が起きるのか、という設定も面白いですが、キャラクターも魅力的。女子のバディもので、2人のバランスが楽しい。ラストは見ものです。
草叢BOOKS新守山店 石田 祥
地球の滅亡が迫り、まともに警察も機能していない中で各々の正義をどこまで貫くのか。どうせみんな死ぬはずなのに殺人事件の真相に迫る必要があるのか。普段の日常とは違う世界での人々の生活や心理描写が新鮮。
メディア関係者
タイトルの意味を理解した瞬間から、ストーリーへの引力が凄い。荒涼とした終末世界で感じる一番の怖さは、たまに出会う人間なのが終始一貫している。そこから逆転の発想で上質なミステリに繋がるのが見事!
図書館関係者
ジェンダー視点の配慮が濃やかで、女性キャラの作りが優れて良い。人物の隠れた背景や信条がどんでん返しのようにひっくり返っていき、飽きさせない。終盤のスリリングなシーンは、カタルシスを感じた。
紀伊國屋書店 坂上 麻季
なんでもありの無法地帯に思える中で発覚する隠蔽された殺人事件、斬新でした。こんな世界で出会う人たちは主人公も含めて全員怪しくて、読んでる間ずっと、なにかだまされてるんじゃ?と疑心暗鬼になってしまいました。
図書館関係者
れっつ小惑星の衝突が迫り、無法地帯と化した地方都市で起こった殺人事件の謎を追う、という想像だにしない設定に唸る。凄惨な場面もリアルに描かれ、事態が突如動き出すスピード感に鼓動が高まる。終末世界において、「人として生きる」ことの意味を描き切った感性は見事!
中学校学校司書 山舘 怜奈
地獄のような世界で次々と起こる事件。日本が、地球が滅亡するかもしれない世界だからこそ、人間の悪意、善意、生き方全てが顕在化している。ミステリとしても楽しめて、家族のこと、大切な人のことも考えさせてくれる作品。
千代田図書館 井口 ひさみ
特殊なはずの舞台設定が、日常の延長線上にあった。リアルに想像できるのだ。電波を拾おうと集まる人々や、最後まで自分の仕事をしている人…どの人も、今すぐそばにいる人のようだ。どんなふうに生きていきたいかを、上から目線ではなく問い直してくれるミステリ。
テレビ東京 深谷 守
設定も文体も瑞々しい。次の世代を担う作家の誕生を、リアルタイムで読んでいる実感がある。人物設定も秀逸だし、展開も巧み。さすがZ世代だ。時代の風を感じるためにも、絶対に読んでおくべき一冊。
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