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【電子出版特集2023】児童書・海外市場の可能性拡大 献本サービスでコスト減にも貢献

 コロナ禍による巣籠需要が終息し、出版物の販売が低迷しているなか、電子出版市場は一時の急激な伸びは一段落しているものの伸長を続けている。今のところ電子コミックの比率が圧倒的ではあるが、児童書へのニーズの高まりや、海外への広がりなど可能性を示している。本紙では、そうした可能性を示す事例として、電子取次モバイルブック・ジェーピーと電子書店・取次のブックウォーカーの取り組みを紹介する。

 出版科学研究所の調べによると、2022年の電子出版市場は前年比7.5%増の5013億円。同研究所が統計を取り始めた2014年以来続いていた2桁成長は一服したとはいえ、コミックスを含めた雑誌市場を初めて上回った。

 このうち電子コミックが4479億円を占めてはいるが、コロナ禍で公共図書館などの電子図書館サービス導入が進んだことで、児童書の電子書籍への需要が拡大。モバイルブック・ジェーピーはスマートフォン・タブレット向けの児童書電子書籍のストアを開設し、一般向け販売を強化するとともに、グループの力を使って図書館向け販売にも取り組んでいる。また、献本の電子サービスによって、出版社のコストと業務負荷の軽減を提案している。

株式会社モバイルブック・ジェーピー 電子献本・絵本サブスク新たな2事業を出版社に提案へ

 ブックウォーカーは、電子出版市場が拡大するタイに電子書籍ストアを開設。2015年に電子書店を開設した台湾では、写真集などの電子書籍を日本語のままで販売するなど、海外市場の拡大に注力している。

株式会社ブックウォーカー 日本コンテンツの海外展開を強化

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