トーハンが発表した「年末年始の店頭売上動向(2024~2025年)」によると、総合売上前年比は101.9%の前年超えとなった。書籍、コミック、マルチメディアいずれも年末年始を通じて堅調に推移した。その一方で雑誌は「定期雑誌」の落ち込みが大きく、前年割れとなった。期間は2024年12月28日~2025年1月3日、集計はトーハンの取引書店1543軒のPOSデータにもとづく。
書籍は100.8%と前年を上回った。ジャンル別の内訳をみると、「法経・ビジネス」が109.6%で、2024年11月に発売された『改訂版 本当の自由を手に入れる お金の大学』(朝日新聞出版)の売れ行きが良好だった。
「学参・辞典」は110.3%と大きく伸びた。2025年から実施される新課程入試に対応した内容の商品が売れ、特に『2025共通テスト対策問題パック』(河合出版)が好調だった。
「児童書」は98.5%と前年割れ。『幻獣&妖怪タッグ最強王図鑑』(Gakken)、『つかめ! 理科ダマン 8 「昆虫のふしぎ」を探れ!編』(マガジンハウス)の学習ものや、『パンどろぼうとりんごかめん』(KADOKAWA)、『大ピンチずかん2』(小学館)の絵本など、多彩な銘柄が売り上げの上位に入った。
「文庫」は102.7%で、『青い壺』(有吉佐和子 著/文藝春秋)、『同志少女よ、敵を撃て』(逢坂冬馬 著/早川書房)、『ペッパーズ・ゴースト』(伊坂幸太郎 著/朝日新聞出版)などが上位となった。
雑誌は94.8%と大幅な減少、内訳は定期雑誌が91.6%、ムックが101.2%。ムックは『NHK大河ドラマ・ガイド べらぼう~蔦重栄華乃夢噺~ 前編』や大河ドラマの特別企画も収載されている『NHKシリーズ 3か月でマスターする 江戸時代』(共にNHK出版) が販売上位となった。
また、昨秋に発売された人気ゲームの攻略本『ドラゴンクエストIII そして伝説へ… 公式ガイドブック【HD-2D版】』(スクウェア・エニックス)が良好な売れ行きだった。
コミックは113.4%で大きく伸長した。人気漫画『呪術廻戦』(集英社)の最終巻として同時発売された29巻と30巻が売上に貢献。また、メディア化作品として、1月にアニメ放送開始された『地縛少年 花子くん』(スクウェア・エニックス)の最新刊や、2024年10~12にアニメ放送があった『ダンダダン』(集英社)なども好調だった。
マルチメディアも105.4%と前年を超えた。回転すしチェーンの“本物そっくりすし皿”が付録の『おうちでスシロー すし皿BOOK』(宝島社)が販売好調だった。
また、『スーパーアニマル&Co.』『ストレッチーズ ワイルドズータント』『もっちりフレンズ おかしのなかま』(全てデアゴスティーニ・ジャパン)など、2024年秋に発売された最新の子ども向けフィギュア商品が上位にあがった。
【トーハン調べ】年末年始 実績の推移(前年比・%)
総合 | 書籍 | 雑誌 | コミック | マルチメディア | |
---|---|---|---|---|---|
2021-2022 | 98.6 | 101.3 | 95.9 | 91.5 | 105.9 |
2022-2023 | 97.1 | 100.3 | 100.6 | 85.5 | 94.2 |
2023-2024 | 95.1 | 97.1 | 93.0 | 86.7 | 105.3 |
2024-2025 | 101.9 | 100.8 | 94.8 | 113.4 | 105.4 |
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