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出版科研 2023年上半期の出版市場 紙+電子で3.7減の8024億円

出版科学研究所の資料から作成

 上半期の紙の出版物(書籍・雑誌)の推定販売金額は、同8.0%減の5482億円。内訳は書籍が同6.9%減の3284億円、雑誌が同9.7%減の2197億円だった。

 同研究所では、「市場を大きくけん引するヒットやトレンドもなく、引き続き減少した。書籍は文芸書やゲーム攻略本、旅行ガイドなどは健闘したが、その他主要ジャンルは落ち込んだ」と分析している。

 雑誌は月刊誌(ムック、コミックス含む)が同9.6%減の1839億円、週刊誌が同10.6%減の358億円。月刊誌の内訳は定期誌が約8%減、ムックが約9%減、コミックスが約12%減。「定期誌は『週刊朝日』など歴史ある雑誌が休刊。刊行本数を減らす雑誌も目立つ。コミックスは巣ごもり需要の終息もあり市場は縮小」した。

 電子出版市場は同7.1%増の2542億円。内訳は電子コミックが同8.3%増の2271億円、電子書籍が同0.4%減の229億円、電子雑誌が同8.7%減の42億円だった。

 「電子市場の9割近くを占めるコミックが成長したことで前年を上回ったが、成長率は一桁台に縮小した。電子書籍は一部ベストセラーやライトノベル、ボーンデジタル写真集など着実に成長しているジャンルもあるが、ほぼ前年並みで推移。電子雑誌は圧倒的なシェアを誇る定額読み放題サービス『dマガジン』の会員数がゆるやかながら減少した」としている。

6月は前年同月比8.1%減に

 また、同研究所では『出版指標マンスリー・レポート7月号』をまとめた。それによると、6月期の書籍雑誌推定販売金額(本体価格)は、前年同月比8.1%減だった。

 内訳は、書籍が同4.7%減、雑誌が同11.7%減。そのうち雑誌の内訳は、月刊誌が同11.1%減、週刊誌が同15.0%減。

 また、返品率は書籍が同0.9ポイント増の41.5%、雑誌は同1.7ポイント増の42.8%。そのうち雑誌の内訳は、月刊誌が同1.4ポイント増の41.6%、週刊誌は同3.3ポイント増の48.4%。

 平均価格は、書籍の新刊が同4.9%増(62円高)の1317円、出回りが同3.3%増(41円高)の1265円。雑誌は同4.8%増(30円高)の660円。内訳は、月刊誌が同4.9%増(35円高)の747円、週刊誌が同3.7%増(15円高)の424円。

 また、6月期の書店店頭の売れ行きは、書籍が約5%減。文芸は約5%減、文庫は約4%減だった。同研究所によると、佐伯泰英の『猪牙の娘柳橋の桜(1)』(文春文庫)、佐野晶(坂元裕二・脚本)の『怪物』(宝島社文庫)などが売れた。

 雑誌は定期誌が約8%減、ムックが約5%減、雑誌扱いコミックスが約18%減。コミックスはヒット作があるものの、前年同期の大ヒット作『東京卍リベンジャーズ』(講談社)、『SPY×FAMILY』(集英社)などの反動で大幅減が続いているとしている。

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