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大垣書店 来期目標129億円超目指す Kotochika御池店がRFIDタグトライアル導入店に

「チャレンジ続ける」と大垣代表

 大垣書店グループ(大垣守弘代表)の第27回来期方針発表会・納涼会が8月23日、京都市中京区のホテルオークラ京都で開かれ、大垣書店・大垣全央社長は、DX施策などを強化し、既存店ベースの来(75)期売上目標は大垣書店単体で129億4000万円と掲げ、出版社ら関係者に一層の協力を求めた。

 取引先、関係者ら530人、大垣書店スタッフを含むと600人以上が会場に集結。冒頭、大垣書店グループ・大垣代表は、2021年にオープンした堀川新文化ビルヂング店(京都市上京区)について「収益的にはまだ厳しいが、憩いの場として認知度は高まっている。これを収益が上がる仕組みに変えていきたい」とした。

 今春、愛知県豊川市にオープンした「本の豊川堂イオンモール豊川店」については「150年の歴史がある豊川堂とコラボしてのプレゼンで高評価を得て出店できた。我々のノウハウと経験も生かしながら目標に達成するよう日々努力している」と報告。

 11月オープン予定の麻布台ヒルズ店について「『いよいよ東京に進出か』と言われるが、あくまで社是の『地域に必要とされる書店であり続けよう』を実現するため、新しい街の人たちの期待に応えられる店づくりができると判断した。来期も新たなチャレンジに従業員一丸となって取り組んでいく」と語った。

DX施策を強化

 大垣書店・大垣全央社長が、今期実績を報告。大垣書店単体の売上高(8月末決算見込み)は127億6000万円。グループ全体では146億6000万円(共に1.5%増)。飲食事業部が22.5%増と目立った伸長率を見せ、商材別では、本が2%減、CD・DVDが9.2%減のなか、文具が8.2%増、トレーディングカードにおいては82.4%増と大きく伸びた。店舗別では、京都本店(京都市下京区)の21.9%増を筆頭にインバウンドの影響を受けた店舗が好実績をあげた。

 75期に向けて大垣社長は、書店事業部ではオンラインイベントや自社EC事業、コーポレート部門では客注や仕入れ管理システムの強化などDX施策を一層推進し、「前期比1.7%増の129億4000万円(既存店)」と発表。また、株式会社PubteXのRFIDタグ装着商品のトライアル導入店にKotochika御池店(京都市中京区)が選ばれたことを報告し、「現場の意見をしっかり伝えていくので、業界全体が良くなるように結びついてほしい」と訴えた。

麻布台ヒルズ店 内外から期待大

 麻布台ヒルズを開発した森ビルの栗原弘一常務は「大垣書店の地域ファーストの姿勢、チャレンジマインドがあれば、どの地域でも成功されるだろう。交渉中、大垣代表から数字に厳しい条件も強いられ、少々大変だったが、それをカバーしてあまりある価値をこの新しい街にもたらしてくれると信じている」と期待を示した。

 出版社表彰では各ランキングを代表して、児童文庫売上前年比伸長率1位のスターツ出版・菊地修一社長が表彰された。売上金額は集英社、前年比伸長率は芳文社が1位となった。

MVP店舗の京都本店・中澤店長

 第二部の納涼会で、年間MVP店舗として表彰された京都本店・中澤めぐみ店長は「常連客はじめ、取引先、いろいろな人の支援で大きなイベントをたくさんできたおかげ。若手が大いに活躍してくれた1年。今後も期待している」と喜んだ。

 麻布台ヒルズ店開店準備室長の赤井良隆執行役員書店事業部部長は「毎日エゴサーチをしているが、好反応が多く、期待の大きさを感じる。ヒルズ店は緑の中で風や土の匂いを感じてゆっくりと本を楽しめるぜいたくな場所。見たことのない書店、または昔あったような懐かしさもある、そんな店をつくりたい」と意欲を見せていた。

大垣書店 11月に麻布台ヒルズ店オープン 「新たなチャレンジ」

8月からコミックスなどへのRFIDタグ挿入開始 大手出版社3社とPubteXが書店に通知

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