
河出書房新社は3月5日、ユヴァル・ノア・ハラリ氏の最新刊『NEXUS 情報の人類史(上・人間のネットワーク/下・AI革命)』を発売した。刊行に合わせてハラリ氏の来日が決定し、3月17日に東京大学・安田講堂で開かれる「デジタル時代の教育と科学の役割」のメインパネリストとして登壇する。参加申し込みは定員800名に達し、受付を締め切っている。
デジタル時代の教育と科学の役割 情報ネットワークに焦点
世界的ベストセラー『サピエンス全史』『ホモ・デウス』『21 Lessons』の著者と知られる歴史学者・哲学者ハラリ氏が、日本で初めて一般公開イベントに登場するとあって読者からの注目度は非常に高い。イベントでは『NEXUS 情報の人類史』で取り上げられるテーマを軸に、ディスカッションや会場からの質疑応答などが英語(日本語同時通訳)で行われる。
ハラリ氏のほか、メディア・ジャーナリズム研究者の林香里氏(東京大学理事・副学長、東京大学大学院情報学環教授)、人工知能やロボットを含む情報技術と社会の関係について研究している江間有沙氏(東京大学国際高等研究所東京カレッジ准教授)が登壇。モデレーターはフランツ・ヴァルデンベルガー氏(ドイツ日本研究所所長)が務める。

印刷術やマスメディアは文明に何をもたらしたのか
6年ぶりの書き下ろしとなった『NEXUS 情報の人類史』は、引き続き柴田裕之氏が翻訳を担当。ホモ・サピエンスの歩みを「情報ネットワーク」の歴史として読み解きなおし、21世紀における民主主義の危機の原因を、さらに「AI革命」の真の射程を解説。「人類はいま何をすべきか」について提言する。
上下巻の帯では、経済思想家の斎藤幸平氏とオードリー・タン氏(台湾・初代デジタル発展相)から寄せられた推薦文を掲載。また、発売に先んじて原稿を読了した日本の書店担当者からも多くのコメントが届いている。

書名:NEXUS 情報の人類史(上・人間のネットワーク/下・AI革命)
(原題:Nexus : A Brief History of Information Networks from the Stone Age to AI)
著者:ユヴァル・ノア・ハラリ
訳者:柴田裕之
仕様:四六判/上製/(上)304ページ、(下)328ページ
発売⽇:2025年3⽉5日(電子書籍も同日刊行予定)
各巻定価:2200円(税込)
ISBN:(上)978-4-309-22943-0/(下)978-4-309-22944-7

推薦文(上巻・下巻の帯に掲載)
斎藤幸平氏(経済思想家・『人新世の「資本論」』著者)
情報により発展を遂げた人類は、情報により没落する宿命なのか。
本書のAI論は、混迷する世界で民主主義を守るための羅針盤になるだろう。
オードリー・タン氏(台湾・初代デジタル発展相)
その深い洞察は、私たちが著書『PLURALITY』(日本未訳)で提唱する多元的な共創の原理とも響き合い、進化するデジタル時代で人々を導く羅針盤となる。
全国の書店担当者から寄せられた声
飯室繁樹氏(TSUTAYA BOOKSTOREららぽーとEXPOCITY・大阪)
これほど多くの人類の課題を分析しつくしている本に出合ったことがありません。
この本を読み終えたとき、予想もしないほどの知識が自分を包んでいると感じるとともに、何度も読み返して確実に身に着けたいと思いました。
吉原佑哉氏(こまつ書店東根店・山形)
知的好奇心を刺激され、上巻を2日で、下巻を1日で読んでしまった。
松田寿美氏(本のがんこ堂石山駅前店・滋賀)
興味深くわかり易い「思考実験」や「例え」の部分と翻訳の技量は読了の大きな助けになっている。
大久保あすか氏(有隣堂淵野辺店・神奈川)
人類が自滅の道を進まない為にも、今こそ歴史の中で情報というものがどのように扱われてきたのか、学び直す必要があるのではないだろうか。
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