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ビギナーに人気の読書入門を10年ぶりに新版化! 新たな読者を呼び込み好調リスタート(日本実業出版社)『新版 人生で大切なことは、すべて「書店」で買える。』

四六判/212㌻/本体1200円

 日本実業出版社は2月10日取次搬入で、『新版 人生で大切なことは、すべて「書店」で買える。』を刊行した。発売後間も無く重版し、現在2刷1万6000部の同書は、著者累計340万部を超える文筆家千田琢哉氏による読書本の10年振りの改訂版だ。現代でこそ求められている「ビギナー向け読書術」を語る同書の改訂や新たな目標について、同社営業部長・勝木俊宏氏と第一編集部・山田聖子氏の2人に話を聞いた。

(左から)山田氏と勝木氏

営業部員からの提案で改訂始動

 2011年に刊行された旧版は累計8万部を超え、フェア展開時の売れ筋商品でもあるロングセラー本。今回の改訂版刊行は、人気が根強くあり、SNS上でも「読書熱」といったハッシュタグで本好きからよく紹介されている同書を、今こそ現代に合わせてリニューアルすべき、という現場の声を拾った営業部員からの提案が始まりだったという。
 編集担当の山田氏は「読書術の本は、より読書の深みを目指す読書家向けの作りが多い。しかしこの本は、全く本を読んでいなかったが、読書を始めたことで人生が変わったという著者自身の経験をもとに、読書ビギナーに向けた作りを徹底していて、類書と差別化できている」と話す。

現代に合わせアップデート

 新版では、読書の良さを伝えるという本質はそのままに、旧版が過ごしてきた10年で激変した現代に合わせ、改稿や新たな項目を追加した。
 章末に掲載されている、章のテーマに沿ったブックガイドは一新し、現代に合わせた書籍を千田氏がセレクトしたほか、各章に新しい項目を一つずつ追加。10年前にはまだ大きくなかったSNSやオンラインサロンなど、インターネットが隆盛の現代においての考え方や、読書との付き合い方などを新たに収録している。
 また、デザインもアップデートし、疲弊した現代に癒しを提供するため、元々の青色から淡い青へ修正。表紙のイラストも、旧版では本の背表紙が横並びになっていたものから、千田氏の「本を読む意義は、知識を深めて積んでいく、縦に広げていくイメージ」という考えを反映して、カラフルな本が縦に積まれているものへ変更した。

▲ブックガイドでは多様なジャンルの書籍が紹介されている

書店に来たことがない人へも届ける工夫

 「タイトルに共感してくれる書店員も多く、旧版の頃から書店員の皆様の認知度も高かった」と話す営業部長の勝木氏。注文時点で書店員からの反応はよく、初版部数も検討を重ね、満数出荷を心がけた。
 販促施策として、A3ポスターやA4パネルで拡材を用意したほか、同社公式noteやWEBサイトで千田氏へのインタビュー記事も公開。とくに「スマートニュース」などのスマートフォン向けアプリ媒体からの流入が多いといい、書店員からのSNS拡散なども同社SNS担当が積極的に拾っているという。

▲MARUZEN&ジュンク堂書店梅田店での展開の模様

あらゆる世代の新たな読者へ

 発売直後の売り上げデータでは、30〜49歳の男性、次いで女性の売り上げが多く、想定読者の20代より上の層にも注目されていると勝木氏は分析。「ステイホーム期間に書籍売り上げが伸びたというデータもあり、読書人口は増えていると思うが、もっと増えてもいいんじゃないかと思っている。今回の新版が今まで読書に触れていなかった人、触れていなかったジャンルの本と出会うきっかけになって、これからおうち時間を過ごすときの選択肢に『読書』も入れてもらえるとありがたい」と語る。
 また今後の目標について、 「旧版は8万部を達成した。新版とあわせて15万部を目標にしており、発売後すぐに8000部を重版し、3月からは拡販も予定している。書店様のご協力もいただき、末永く売り伸ばしていただきたい。これまであまり読書していなかった人にも本書を届けて、何か悩みが解消できた、知りたいことがわかったという、“読書してよかった”と思ってもらえる人を増やしていきたい」と意気込みを見せている。

▲著者千田氏直筆の色紙

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