街にイルミネーションが灯りはじめると、書店の棚にもクリスマスの気配が漂い始める。「この本をクリスマスに届けたい」─。そんな想いを込めて、全国の書店員が選んだおすすめの一冊を紹介する。絵本、物語、そして大人
が楽しめる本まで。年末商戦を彩る「クリスマス本」は、棚づくりやフェア展開の大きなカギを握る。売り場づくりの参考にも、ぜひお役立ていただきたい。
書店員のおすすめ

『ノンタン! サンタクロースだよ』キヨノサチコ/偕成社
言わずと知れたクリスマス絵本の定番。リズム感のあるフレーズが特徴でくりかえしくりかえし読みたくなります。自分でももちろん、大好きな人に読んでもらった絵本でもあり、ページをめくれば楽しい記憶がいつでもよみがえります。「うふふ、まいにちクリスマスだといいなあ。」のフレーズにクリスマスのしあわせが全部詰まっています!大垣書店 髙島屋店チーフ 渡邊由佳さん

『ちいさなろば』作:ルース・エインズワース/訳:石井桃子/画:酒井信義/福音館書店
はっと目をひく美しい深紅の表紙。表紙に描かれている一頭のろば。
ろばのその眼は少しさびしげ。そっと絵本の裏表紙を見てみるとろばの表情が楽しそうに見えます。
サンタさんと出会ったろばは、一生懸命サンタさんのお手伝いをします。お礼としてサンタさんから届いたとびきりのプレゼントは、ろばをとても幸せにしてくれました。ろばの嬉しさ、そしてクリスマスの奇跡を感じられる絵本です。紀伊國屋書店 川西店 尾藤秀子さん

『はじめてのクリスマス』作:マック・バーネット/絵:シドニー・スミス/訳:なかがわちひろ/偕成社
いつも誰かにプレゼントをあげるばかりのサンタさんに、なにかとびっきりのすてきなことをプレゼントしたいと考えたエルフたちは…。平和なクリスマスを過ごせることの尊さを思いながら、いつもしあわせをくれる大事なひとに贈りたい。作画を担当したのは、アンデルセン賞受賞のシドニー・スミスさん クレヨンハウス東京店 子どもの本売り場チーフ 鏡鉄平さん

『ビロードのうさぎ』原作:マージェリィ・W・ビアンコ/絵・抄訳:酒井駒子/ブロンズ新社
僕も子供のころよく遊んでいたぬいぐるみがいました。犬なのか熊なのかよくわからない生き物でしたが。最大限の愛情を注ぐことで感じることができるものがあります。大切な想いとともに自分の中の大切なものは何かを改めて考えさせてくれる一冊。八文字屋 商品部 金沢有一さん

『くるみ割り人形』作:E.T.A.ホフマン/絵:サンナ・アンヌッカ/訳:小宮由/アノニマ・スタジオ
バレエや映画で知られている古典文学の新装版。マリメッコのデザイナーとして活躍するサンナ・アンヌッカによる挿画が美しくプレゼントは勿論、自分用に手元に置いておきたい1冊です 文教堂 溝ノ口本店 佐藤真弓さん

『サンタさん』作:長尾玲子/福音館書店
春の終わり。ひとりの子どものためにサンタさんが羊の毛を刈ってマフラーを編みはじめます。冬までかかって編み上げたとっておきのプレゼントを持って、遠く離れた女の子の元へ向かうサンタさん。自分のためだけにこんなにも時間をかけて届けてもらえるなんて贅沢すぎる!クリスマスのプレゼントがよりいっそう特別なものになること間違いなしの絵本です。 丸善 丸の内本店 児童書担当 木村絵美梨さん

『もうすぐクリスマス』作:北岸由美/白泉社
クリスマスって当日はもちろん、待っている間も楽しいですね。クリスマスへ向けてうさぎさんたちが準備している毎日が描かれているアドベント絵本です。
リース作りやキャンドル作り、絵本の中に入って一緒に過ごしてみたくなっちゃいます。色とりどりのイラストもとても可愛く、みんなが楽しそうにしているのが嬉しくなり幸せな気持ちになります。谷島屋 イオンモール浜松志都呂店 小野寛子さん

『はじめまして、サンタさん』作:ジャーヴィス/訳:万木森玲/岩崎書店
ある夜、目の前に現れた白いおひげのおじいさん。はじめて会うサンタさんに女の子の質問攻撃が止まらない。 「わたしのおじいちゃんよりおじいちゃん?」「エントツ、こわくない?」「サンタさんのソリにのっていい?」なんてリクエストも…。憧れの人に会えた女の子のワクワクとドキドキがあふれだします。有隣堂 横浜駅西口店 由元麻美さん
コメント