紀伊國屋書店は9月6日、昨年に続く台湾文化広報事業として、台湾文化センターとともに企画する「おすすめ台湾本ブックフェア」の開幕式を紀伊國屋書店新宿本店(東京・新宿区)で開いた。同センターと紀伊國屋書店が共同で小冊子「おすすめ台湾本」を作成。そのうえで、全国33店舗以上でブックフェアを順次開催し、多様な魅力を持つ台湾を紹介していく。
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小冊子「おすすめ台湾本」は、紀伊國屋書店と出版社の「本好き」「本読み」から、2022~23年の新刊を中心に面白かった台湾本(台湾作家の本、台湾が舞台の本、台湾に関する本、台湾発行の本)のおすすめコメントを集めている。
「おすすめ台湾本ブックフェア」の開幕式は、小冊子に掲載している書籍を刊行する出版社らが招かれて開かれた。冒頭、台北駐日経済文化代表処・謝長廷駐日代表(大使)があいさつ。「新型コロナウイルス対策が緩和される中、台日の交流が盛んになりつつある。このようなイベントを通して、互いの関係をますます深めることにつながることを期待している」と話した。
続いて、日華議員懇談会会長の古屋圭司衆議院議員(自民党)が、「日華議員懇談会ができて今年で50年。コロナ禍もおさまった今、台湾からたくさんの人が日本を訪れている。今回のブックフェアを通じて、日本の全国各地から気軽に多くの人が台湾を訪れるようになればうれしい」と期待。
また、「私は『MANGA議員連盟』の会長も務めている。実は今度、日本に〝ナショナルマンガセンター〟ができる。場所は日本武道館のすぐ横の一角。日本のメインカルチャーになっているマンガの素晴らしさを世界に発信していく」と明かした。
自民党青年局局長代理の藤原崇衆議院議員もあいさつし、「大学院生のとき、この新宿本店をよく訪れた。今はネットで簡単に本を買えるが、実際にリアル店舗を歩いてみると、自分の目的とは違った新たな本に出会える。今回のブックフェアが台湾本を手に取ってみる機会になるかもしれない。そういった積み重ねが文化交流へとつながっていく」と語った。
また、小冊子「おすすめ台湾本」掲載の書籍の中でも、紀伊國屋書店スタッフから最も多くのおすすめコメントが寄せられた漫画『緑の歌─収集群風─』の作者で、日本でも活躍する漫画家・イラストレーターの高妍(ガオ・イェン)さんもあいさつ。「漫画の競争が激しい日本だからこそ、思い切って挑戦し努力してみる価値がある。まだ20代で若くて経験の浅い私だが、大手出版社の皆さんが私を信じて一緒に仕事をさせていただいている」と話したうえで、「これから、私以上に才能豊かな台湾のクリエイターによる漫画、小説、映画、音楽など面白い台湾作品が増えていくだろう。これからも素晴らしい出版社、編集者とともに絵が描けなくなるまで、ずっと続けていきたい」との思いを語った。
最後に、紀伊國屋書店・高井昌史会長兼社長が登壇し、「紀伊國屋書店は昨年、台湾初出店から35周年を迎え、新型コロナの影響で日台間の往来がままならぬ中、書籍を介して日本の皆さんに台湾の文化をより広く、深く知っていただこうと、台湾文化センターとともに『臺灣書旅:台湾を知るためのブックガイド』を発行。また、基幹6店舗でブックフェアを開催し、とても好評だった」と振り返った。
そして、「今年は台湾本のおすすめコメントを集めて『おすすめ台湾本~日本各地と台湾から』を作成。ブックフェアの開催店舗も全国30店舗以上に拡大し、この小冊子も配りながら、10月にかけて順次開催していく」とし、「本屋は文化と出会う場所。コロナ禍もおさまり日台の人の交流も回復を見せる中、全国各地でのブックフェアが台湾の文化に触れる機会となり、今後の日台交流の促進に貢献できるよう努めていく」と呼びかけた。
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