京都の大垣書店とふたば書房が開催する第30回和昌会が11月9日、京都市上京区の京料理萬重で開かれ、出版社22社や両書店関係者などが参加した。
同会は両書店が出版社との懇親を深めるため、主要出版社20社に呼びかけ共同で開催してきた。大垣書店前社長の故・大垣和央氏と、ふたば書房の洞本昌男会長の名前1文字ずつから命名。コロナ禍で4年ぶりの開催となった。
冒頭のあいさつで洞本会長は「取引取次さんも違う本屋が一緒にやるというのは他に見られないようで、それが 30 回まで続いてるのは、自画自賛だがすごいことやなと思う」と述べ、会の成り立ちなどを説明。
大垣書店・大垣守弘会長は「ふたば書房さんとのご縁、来会されている出版社さんとのご縁をいただいているが、これから新しいことにチャレンジするのも全て皆さんのとのご縁で次の時代が開かれると思う」などとあいさつした。
大垣書店が営業推進部発足
続いて両社の社長が営業報告。大垣書店・大垣全央社長は「非常に売上が厳しい。特に今まで稼ぎ頭であった路面店、駅前店にお客が戻らない状況続いている」としたうえで、「これを何とかすべく11月に営業推進部を立ち上げ、部長の髙田(恭行)を中心に若いスタッフが販促、イベント、ECなどを強化していく。また、コンテンツ事業部を作り本の出版や新しいコンテンツ作りに手をつけている。あと飲食事業はカフェも10 店舗以上になってきた。まだ売上に占める割合は5%ぐらいだが、今後はこれも柱にしながらさらに進めていきたい」などと報告。
洞本社長「本は安全な商売」
ふたば書房・洞本昌哉社長は「雑貨は3カ月、6カ月前に発注するので、20年4月に日本が全部止まった日でも半年前に発注した商品が届く。それが生ものや春物だと全部捨てることになる。それに比べて本は利益も低いが、リスクも低い安全な商売だと改めて思った」と指摘。そのうえで、「我々は皆さんが持つコンテンツ発信を支援していく町のコアであるべきだと思う。商品を売るというよりは、町の皆さんに安心の材料を提供する、体験してもらうことのできる会社にしていこうと、コロナで学んだ」と述べた。
同会発足に河出書房新社前社長の故・若森繁男氏か尽力したことから恒例になった同社・小野寺優社長の乾杯が行われ歓談に入った。
閉会後に同志社大学今出川キャンパスにあるアマーク・ド・パラデイ寒梅館で開かれた2次会には、両書店のスタッフも駆けつけて出版社と懇親した。
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