2024年9月に開店から20周年を迎える丸善丸の内本店は11月7~9日の3日間、1~3階で参加出版社の各企画をブース展開する「読み手とつくり手をつなげる本の祭典『丸の内BOOK CON2024』」の開催を予定し、現在、出版社に出展を呼びかけている。
物販よりも交流・体験を
同店は「丸の内BOOK CON2024」で販売よりも読者に交流と体験を提供することを重視しており、出版社の出展料は無料とし、ブースごとの売上予算も設定しない。
一方で出版社としてはリスクなく直接、読者と接点を持てることから、マーケティングの場として活用することが可能だとみている。また1社だけではなく、複数社合同で1ブースを出展することも可能。出展社には展示用のテーブルや面陳棚、パイプ椅子、電源などが提供される。
また、ブースのスペース内であればパネルやのぼり、等身大スタンディなどの設置も可能で、ブースの配置は同店が割り振り確定後、各社に通知する。
出版各社の出展申請締め切りは4月15日まで。申請した出版社に申し込みシートを提供し、5月17日までに同シートを返送することで正式申請となる。6~9月にかけて正式申請のあった各社と企画内容や参加可否について協議し、10月に出展社を確定する。
丸善日本橋店での開催も含め、今回で4回目となる「BOOK CON」だが、丸の内本店ではこれまで好評だった出版社の企画として、起点となる文庫本から次の文庫本を読者が紹介し、芋づる式にタイトルをつなげていくことで、読者参加型の読書MAPを作成する企画(「文庫で芋づる式!読書MAPをつくろう!」)や、品切れ重版未定で復刊を検討している作品を展示。来店客との会話を通じて復刊リクエストアンケートを収集し、復刊計画の参考にした企画などの実施事例をあげる。
来店客数130%増を見込む
同店は期間中3日間の来店客数を通常の130%に及ぶ4万人と想定している。同店副店長で同展を担当する友田健吾氏は「出版社がもつコンテンツや構想段階の企画を、丸の内の読者に熱意をもって伝えることで、マーケットインが生まれるチャンスがある。普段は知ることが難しい、書店での読者の本音を直接聞くことができる機会」と出版社の出展メリットをあげ、「これまで以上に著者、編集者のトークイベントを増やし、飲食など他テナントとのコラボも考えている」と構想について語る。
コロナ収束以降、来店客や活気が戻りつつある同店は、ポップアップコーナーやイベントを積極的に実施しており、文具や書籍など目的買いの対象とした顧客のみならず、店内空間や品揃えを楽しむために来店する仕組み・売場を創出することを意識しているという。
そのうえで友田氏は「今回の『丸の内BOOK CON2024』では、普段の書店では体験することのできない、新たな本と人との出会いが生まれることを期待している。当店も日々のルーチンワークでは経験できない気づきがあり、出版各社と一緒に書店としての新しい価値を提供したい」と同イベントへの意気込みを語る。
コメント