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【日販グループ】取次事業36億円の赤字に 「NIPPAN Conference 2024」で報告、海外とエンタメは過去最多売り上げ

5年ぶりに開かれた「NIPPAN Conference 2024」

 日本出版販売(日販)は5月14日、東京・文京区の東京ドームホテルで5年ぶりとなる「NIPPAN Conference 2024」を開催し、日販グループホールディングス(GHD)の富樫建社長は、2023年度業績について、グループで11・8億円の赤字、取次事業では36億円の赤字となる見通しを示した。

 富樫社長は、23年度は上期に12億円以上の経常損失を計上したが、下期は増収増益となったと報告。また、取次事業の赤字が続いたのに対し、グループ書店などの小売事業は再編により黒字転換。取次・小売事業以外は海外事業やエンタメ事業が過去最大売上となるなど増収増益だと述べた。

 そのうえで、「取次事業の立て直しがグループの最優先課題」とし、GHDの社長とともに、プラットフォーム創造事業本部長を継続し、持続可能な取次事業への転換に取り組む姿勢を示した。

 続いて、日販の中西淳一専務取締役マーケティング本部長が「持続可能な出版流通」、伊藤宏治常務取締役物流本部長が「物流の将来計画」、奥村景二社長が「日販が目指す未来」と題して報告に立った。

 物流問題では、国土交通省が運賃水準を引き上げるとした「標準的運賃」の告示や、公正取引委員会が適切な価格転嫁を求めたガイドラインなどを示し、出版社に対してさらなる運賃負担を求めた。

 また、今年10月に「N-PORT新座」を開設するなど、物流センターを汎用性がある施設に再編していく方針を示した。

 第2部の記念講演は、いくつもの外資企業や国内企業を建て直し、タカラトミーや新日本プロレスの社長を務めたハロルド・ジョージ・メイ氏が「業績をV字回復させる秘訣~マーケティング・組織・仕事術のすべて」と題して行った。

 メイ氏は、企業を立て直す際に「危機感を共有する」「過去を否定しない」「数字で示す」「プライドを持つ」といったポイントをあげ、不可能と思われるような高い目標を示して改革してきた手法を、事例を交えて説明した。

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