角川春樹事務所は5月23日、東京・千代田区のホテルメトロポリタン エドモントで「ハルキ文庫増売キャンペーン感謝会」を開催。岩井圭也氏『横浜ネイバーズ』シリーズ、山口恵以子氏『食堂のおばちゃん』シリーズ、知野みさき氏『神田職人えにし譚』『新装版 妖国の剣士』両シリーズの増売キャンペーンで好成績をあげた各書店担当者、トーハン、日本出版販売の仕入担当者ら約50人が参集した。
冒頭のあいさつで角川春樹社長は「自民党国会議員による『街の本屋さんを元気にして、日本の文化を守る議員連盟』の活動が始動して2年。今年に入り経済産業省でチームができ、文化庁も積極的に動いてくれるようになったが、まだ十分とはいえない」と報告。紙の本の大切さをあらためて認識した出来事のひとつとして「東日本大震災後、被災地の学校の児童たちに図書カードを贈り、たくさんの感謝のメッセージを受け取ったことが強く心に残っている」とエピソードを紹介した。また、「2021年刊行の『最後の角川春樹』の中で、角川春樹の晩年の戦いは本屋さんを守ることと断言し、今、一つひとつ歩みを進めている。これからもっと大きな成果をあげるよう努力したい」と意気込みを語った。
乾杯のあいさつに立ったトーハン・櫻井秀則書籍部長は「今年に入ってからの書籍の実績は前年比100%を上回り、活況となってきている」と報告。また、年始に起こった能登半島地震にふれ「被災地で大変な思いをしながらも再開を果たした書店には多くのお客様が来店している」とし、「ピンチのときほど本が必要とされ、ピンチの人は本に救われる」という認識を新たにしたとスピーチした。
続いて販売上位店代表として有隣堂店舗運営部仕入販促課・芝健太郎課長、書店代表として谷島屋営業本部・丸林篤史副部長が登壇。厳しい市況のなかでも未来に向けて業界全体で手を取り合い、売り場の活性化に取り組んでいきたいとの姿勢を示した。
最後に、日本出版販売のマーケティング本部仕入部・池田健部長は「2023年度、書籍は厳しい状況だったが、ハルキ文庫は前年比105%という数字をたたき出した。この結果は増売キャンペーンを含め普段からの書店の尽力によるもの。販売会社も一丸となって書店の繁栄に尽力していきたい」と締めくくった。
会場には各シリーズの作家3人も駆けつけ、各書店担当者への記念品贈呈とともに感謝の言葉を述べ、記念撮影や歓談のひとときを楽しんだ。
コメント