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双葉文庫40周年 大沢在昌の長編デビュー作「失踪人調査人・佐久間公シリーズ」を文庫復刊

 双葉社は、文庫レーベル「双葉文庫」40周年を記念し、同社でデビューした大沢在昌氏の「失踪人調査人・佐久間公シリーズ」を4カ月連続で刊行する。

 第一弾として1980年に刊行され、長らく市場流通していなかった、大沢氏の長編デビュー作『標的走路』(7月8日搬入)を皮切りに、第二弾『感傷の街角』(8月5日搬入)、第三弾『漂白の街角』(9月9日搬入)を刊行。続く第四弾として『追跡者の血統』(10月7日搬入)も控えており、いずれも初版2万8000部で刊行する。

“幻の長編”として反響大

 『標的走路』は2008年に他社での刊行以降、市場流通をしておらず、ネット上では高額で取引されるなど、ファンのなかでは大沢氏の“幻の長編”として知られていたことから、今回の復刊はファンを中心に話題を呼び、すでに3刷3万4000部に達している。

 同シリーズを復刊した背景について、編集を担当した同社文芸出版部の佐野健二副編集長は「文庫40周年ということもあり、当社で作家としてスタートを切った大沢さんのデビューシリーズに、もう一度戻ってきてほしいという思いが強かった。またネガフィルムのカメラやファッション、音楽など若い人たちを中心に80年代カルチャーが注目されている中で、このシリーズの魅力を大沢ファンだけではない、新しい層にも作品を訴求したかった。装丁デザインもこれまでの大沢作品とは異なるイメージで、文字組みだけのシンプル、かつスタイリッシュなデザインを意識した」と語る。

あらすじマンガなどで新規読者層に訴求

漫画でシリーズのあらすじをまとめた拡材

 若年層や女性層に訴求すべく、同じく双葉社から『告白』でデビューし、大沢作品の熱心な読者でもある湊かなえ氏が推奨コメントを提供。さらには人気漫画家の伊達しのぶ氏が手掛けたシリーズのあらすじマンガをSNSで発信するとともに、店頭用拡材としても活用している。

 同シリーズの販促を担当している、第二営業部の富岡佳子副部長は「主な読者が60~70代の男性層である一方、想定していた以上に若い方や女性の方にも購入いただいている。40年前のデビュー作を復刊し、それを重版すること自体が異例で、これ機に今まで大沢作品に触れてこなかった方にも届けていきたい」と意気込みを語る。

 また同社が発行する文芸月刊誌「小説推理」の注目の新刊コーナーでは、ときわ書房本店の宇田川拓也氏による『標的走路』の書評を皮切りに、書店員による各タイトルの書評を掲載する。さらに販促企画として40周年にちなみ、全4作品の購入者のうち抽選で40名に、シリーズ特製の図書カード4000円分を提供するなど、さらなる販促に注力する。

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