日経BP・日本経済新聞出版が9月に発売した『THE COMING WAVE AIを封じ込めよ DeepMind創業者の警告』(ムスタファ・スレイマン/マイケル・バスカー、上杉隼人訳)が、ノーベル物理学賞、化学賞の発表を機にあらためて注目を集めている。
同書はAIや合成生物学、量子コンピューターほか、さまざまな新世代の技術が融合することで、開発者も想定していない大きな混乱や惨事がもたらされる可能性を指摘。新たなテクノロジーの驚異的な力を紹介しながら、こうした汎用技術が危機を生み出すことを防ぐため、適切な監視・管理下に封じ込める必要性を訴える。
著者のスレイマン氏は、今年ノーベル化学賞を受賞したデミス・ハサビス氏らと、AIブームを創り出した企業として知られるディープマインド社を創業。また、同・物理学賞を受賞したジェフリー・ヒントン氏らともグーグルのAI研究を推進してきた経験を持つ。
このAI研究とそれが可能にした合成生物学の双方を熟知する著者が、最新の汎用技術による可能性と潜在的な危険性を解説するとともに、対策の必要性を訴える。昨年の原書発刊時には、ビル・ゲイツやエリック・シュミット、ユヴァル・ノア・ハラリほか多くの各界著名人が言葉を寄せた。
同社では、「海外でAI規制に関する議論が進むなど関心が高いテーマであり、今後の世界を生きるすべての人に読んでほしい。とくに20~40代や、子どもを持つ方々、国の政策決定者にぜひ手に取ってもらいたい」としている。
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