
出版取次大手のトーハンは、新たな物流拠点「トーハン川口センター」を開設し、3月26日から運用を開始した。敷地面積は1万810平方メートル、建物延床2万1760平方メートル(4階建)。雑誌新刊の発送業務を担う。将来的には雑誌以外の商材も取り扱うことも視野に入れ、物流の重要拠点と位置付けている。
「トーハン川口センター」の開設は、中期経営計画「REBORN(2019-2023)」および「BEYOND(2024-2026)」に基づく本業改革の一環となる取り組み。開設の目的は二つあり、第一に最新のマテハン設備導入による雑誌物流品質の向上、第二に雑誌以外の商材にも対応可能な汎用性のある新センターの整備。
発送ラインコンベヤ(発送作業用)、スパイラルコンベヤ(2階と3階をシームレスに連結)、輸送方面別仕分ソータ(7500個/hの処理能力)、トラックバース(最大33台着車可)、バース予約システムを導入(トラック待機時間短縮、CO2削減)空調設備を整えた事務所、休憩所を完備している。




CVS2万店の発送業務を他社から移管、年内に全面稼働へ
建設計画策定後に大手コンビニエンスストア(CVS)との新規取引が決定したため、計画を一部変更して新規取引CVS向けの雑誌発送も行うこととし、業務をスタートした。今夏にかけて段階的にCVS2万店の発送業務を他社から移管したのち、「西台雑誌センター」で行っている書店向けの雑誌発送業務を順次移管、2025年中には「トーハン川口センター」を全面稼働状態とする予定。
トーハン・川上社長「出版流通の維持発展に貢献に努める」
稼働開始に先立つ2月26日、安全祈願式が執り行われ、設備・建築施工会社、物流協力会社の関係者が出席した。川上浩明社長のあいさつ要旨は次の通り。
川上浩明社長 あいさつ(要旨)
おかげさまでトーハン川口センターが開所の運びとなりました。建設工事をはじめ関係者のご尽力に深く感謝申し上げます。
当センターからは、新規取引となる大手CVS、また全国の書店に向けて雑誌を発送いたします。雑誌の国内流通では相当のボリュームを弊社が担うこととなります。
将来的には雑誌以外にも様々な商材を取り扱う方針であり、最新鋭の設備により多様な荷姿で迅速な出荷が可能となっています。
このセンターを活用することで人と本を繋ぎ、出版文化を未来へ繋ぐ機能に磨きをかけ、出版流通の維持発展に貢献できるよう努めてまいります。ご支援を賜りますようお願い申し上げます。
川上社長による玉串奉奠 左からトーハンロジテックス・田仲幹弘社長、トーハン・近藤敏貴会長、埼和興産・北濵雄嗣社長(来賓)、トーハン・川上社長
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