トーハンは8月31日、Nebraskaが開発した無人営業化ソリューション「MUJIN書店」を使った山下書店世田谷店での実証実験の結果が順調に推移していることを受け、Nebraskaと資本業務提携契約を締結したことを発表した。「MUJIN書店」導入店舗拡大や、新業態開発に向けて取り組みを継続する。また、「MUJIN書店」の2店舗目となるメディアライン曙橋店(東京・新宿区)への導入も決定した。
Nebraskaは、「街から書店をなくしたくない」という志のもと2021年に創立され、創業メンバーの高い技術力で「MUJIN書店」を開発している。トーハンは同社からソリューションの提案を受け、実証実験のための協働チームを立ち上げ、ともにシステムの店舗実装に取り組んできた。
山下書店世田谷店では、今年3月20日から7月31日まで無人営業の実証実験を実施した。トーハンによると、その結果、売上前年比は全国実勢値94・5%を大幅に上回る106・6%で推移。また、販売管理費は対前年同期比で7・9%減、売上高対営業利益率も同じく4・2ポイント増となるなど、店舗収益に大きな改善効果があった。また、顕著な万引被害の増加は観測されず、店内での事件、事故、迷惑行為なども発生しなかったという。
トーハンは「山下書店世田谷店での実験を通じて『MUJIN書店』の有用性と可能性を確信している。両社のノウハウを持ち寄り、『MUJIN書店』の本格的な事業化を加速するため、このたび資本業務提携の合意に至り、Nebraskaに出資することを決定した」と説明している。
年度内に複数店舗へ導入予定
無人営業を継続している山下書店世田谷店、11月に導入を予定しているメディアライン曙橋店に続き、年度内に複数店舗への導入を予定している。また、両社でこれら先行導入店舗で得られた知見をもとに、引き続き「MUJIN書店」サービスモデルのブラッシュアップを進める。24年度以降は、トーハングループにとどまらず広く一般書店への導入提案を計画しているとしている。
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