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株式会社ライツ社 「PUBNAVI」導入でストレスを払拭 1カ月でのスピード導入果たす

 地方に拠点を置く小規模出版社ながら、60%という高い重版率を誇り、好業績をあげる株式会社ライツ社は、紙との同時刊行で電子書籍も出している。2022年11月には株式会社光和コンピューターと株式会社メディアドゥのクラウド型電子書籍管理システム「PUBNAVI」を導入し印税計算などの手間を大幅に削減。さらに2023年度からはオーディオブックの印税管理でも効果を発揮している。

電子書籍の売上は5%ほど

 同社は兵庫県明石市で2016年に大手取次トーハンの出版社創業支援「PI推進プロジェクト」を活用するなどして創業した。

 ビジネス書や実用書、児童書など多様なジャンルで書籍を刊行するが、社員6人、アルバイト1人で1年間に出す新刊を5~6点に絞り込み、編集、営業のリソースを1点に集中させることで、重版率は60%に達し、10万~30万部のヒットも生み出している。

最新刊の児童書『放課後ミステリクラブ2』

 電子書籍化は創業当初から行っており、写真集など電子化に不向きと思われる書籍を除きすべて電子版も刊行している。電子版の売上は年間1779万円と、全売上3億2604万円(いずれも2022年9月~2023年8月期)の5%程度と業界平均の水準だ。

 2人社長制をとる同社で営業を担当する髙野翔代表取締役社長は「まだ経営を支えるほどではありませんが、紙にプラスアルファの収入として販促などに使えればと考えています」と話す。

髙野社長

ビジネス書では電子版が紙の30%に

 現在は紙と電子を同時に出すサイマル刊行だが、当初は紙版販売への影響を懸念して紙から電子版発売まで半年ほどの時差を設けていた。しかし、「なぜ電子版を同時に出さないのか」とSNSなどを通じて著者に問い合わせが入ることがあり、3年ほどでサイマルに切り替えた。

 ビジネス書、特に専門性の高い書籍は電子版の売れ行きがよい。IT会社サイボウズ株式会社と提携して刊行しているサイボウズ式ブックスで2022年6月に発売した『拝啓 人事部長殿』は紙版も4刷1万部と好調だが、電子版も3000部ほどに達している。

電子版が紙版の30%に達した『拝啓 人事部長殿』

売上印税で管理煩雑に

 電子書籍の配信はメディアドゥと株式会社モバイルブック・ジェーピーの電子取次2社を通じて行っている。売上管理や印税計算などは髙野氏が電子取次のサイトからCSVデータをダウンロードしてExcelを使って計算していたが、アイテム数が増えるにしたがって作業が煩雑になった。

 「電子版には品切れがなく、紙版と違って売上印税であるため売上ゼロでも報告しなければならないので、点数が増えるにしたがって『これが延々と続くのか』という恐れと、間違いが発生するのではないかという不安もあり、ストレスになっていました」と髙野氏。

 そんな2022年に専門紙で「PUBNAVI」開発の記事を見た髙野氏は、著者への支払いが発生する11月の直前、10月に問い合わせて即導入を決定。1カ月ほどで初期設定を終わらせて無事導入に至った。

 「光和コンピューターは初期設定の方法など何度もレクチャーしてくれて、過去データの移行など実作業もサポートして間に合わせてもらいました」と髙野氏は対応を評価する。

 導入以降は、電子取次から数カ月ごとに売上データを取り込み「PUBNAVI」に読み込む形になった。いまはこの作業も別の担当者が行っている。

オーディオブックも「PUBNAVI」で管理

 さらに今期からはオーディオブックも同様に「PUBNAVI」で管理するようにした。いまはAmazon「Audible」と株式会社オトバンク「audiobook.jp」の2サイトで販売しているが、こちらもそれぞれの売上報告フォーマットが違っており、「PUBNAVI」によって作業負担が軽減されたという。

 電子書籍については、当初、電子書籍の販売数に一定率を掛けた印税を支払っていたが、値引きをすると引いた分がすべて出版社の負担になるため、積極的な販促策が打てないという課題もあった。「しばらくしてから気付いて入金ベースの計算に改めました。これで値引きしても販売が増えて入金額が多くなれば、著者にも出版社にもメリットがある形にできました」と模索を続けながらも確実に伸ばしている。


株式会社ライツ社

設 立:2016年9月7日

所在地:〒673-0885 兵庫県明石市桜町2番22-101号

代表者:大塚啓志郎/髙野翔

資本金:970万円

電 話:078-915-1818

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