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ポプラ社 2024全国学校図書館POPコンテスト 11部門で54点選出、762校から1万8072枚の応募

自身が選んだPOPを手にする加藤社長(左)、内田さん(右)

 ポプラ社は読書推進活動の一環として、学校図書館サポート事業を行っている。その一つが、今回7回目となる「ポプラ社全国学校図書館POPコンテスト」。2024年7月1日から11月30日の応募期間に、762校(海外5カ国7校含む)から1万8072枚が寄せられた。一次・二次選考を経て、コンテストアドバイザーであり『全国学校図書館POPコンテスト公式本 オススメ本POPの作り方』著者の内田剛さん、ポプラ社の加藤裕樹社長、コンテスト事務局によって最終候補作215枚から11部門54点が選出され、3月3日に発表された。

 「POP王賞」「ポプラ社賞」「コンテスト事務局賞」「本への愛情が伝わるPOP賞」「本の魅力が伝わるPOP賞」「インパクト賞」「キャッチコピー賞」「イラスト賞」「おもしろPOP賞」「アイデアPOP賞」「大人の全力POP賞」の各受賞作は、小学校・中学校・高校の生徒たちと司書教諭それぞれの創意工夫、そして本への愛情に満ちている。

 内田さんと加藤社長も選考にあたり、「これは大人には作れない」「この本は知らないけど、POPを見ると読んでみたくなる」などと感嘆していた。

 選考終了後、内田さんは「前にも増してハイレベル」と振り返った。POPとは題材にする本を選ぶところから始まり、かつ書くことがゴールではない。書棚に設置し活用することで命が吹き込まれ、その思いが誰かに伝わることが本当のゴールだという。

 加藤社長も、良いPOPからは体温が感じられる。「この本、面白いよ!」と勧めた本が広がっていくことが、楽しい思い出、素晴らしい読書体験につながるだろう。本の魅力発信の具現化となっているこのコンテストは、ぜひ第8回以降も継続して広めていきたい、とした。

 また、内田さんは特に印象深かった作品として、同じ湊かなえ『告白』を扱った「POP王賞」と「インパクト賞」の2点を挙げた。前者は作中に登場する牛乳を生かした“白” のビジュアル、後者は教室で主人公が語りかける光景をチョーク画のように描いた“黒”のビジュアル。同じ作品でありながら非常に対照的で、それこそがPOPの面白さだとした。

 内田さんは、大切なことはうまい・下手ではなく気持ちを込めることであり、「ア」クセント・「イ」ンパクト・「ウ」エルカム(本の良さに寄りそう)・「エ」ンジョイ・「オ」リジナル。ぜひ生徒たちが楽しんで自分の言葉で書くことのできる環境をつくってあげてほしい、とした。

 さらに、例えば地元の書店・公共図書館でもPOPを利用してもらう、子どもたちと著者をつなげる、他社との連携も検討する、なども考えられるという。このPOPコンテストはいわば「子どもの本総選挙」、彼らがどのような本に興味をもっているのかというビッグデータを見える化すればさらなる可能性が見えてくる、と今後の発展性も語られた。

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