「デジタルで企業の成長をサポート、社会課題の解決にも成果」
携帯電話・スマートフォンやインターネットサービス、テレビCMなどで馴染みの深いソフトバンクという企業体。本書のタイトルにある、その「もう一つの顔」とは何なのか。一般消費者向けサービスはあくまで一面であり、BtoBでも多彩な顔を持つという。同社の成長・技術戦略、デジタル化進展に伴う法人向け事業の成長性、人材や社会課題への取り組みなど、同社を支える原動力の一端を本書はつまびらかにする。ソフトバンクで法人向け事業を手掛ける法人マーケティング本部本部長の上野邦彦さんと筆者である日経BPの中村建助さんに読みどころを語っていただいた。
大きく伸長する法人向け事業
――ソフトバンクとはどういった企業ですか?
上野 携帯電話ショップは全国2000店を数え、グループ会社のYahoo!やLINE、PayPayなどコンシューマ向けの印象が強いのですが、私たちは法人向けに携帯電話やネットワークを提供しています。なかでも力を入れているのは、企業のデジタル化やDXのサポートです。
また、自治体や省庁とともに日本の社会課題とされる災害や労働力不足、インフラの老朽化といった課題に対し、テクノロジーを使って解決に取り組んでいます。一般の認知度はまだそれほど高くはありませんが、法人向け事業の売上規模は実は大手企業並みに育っています。まさに「もう一つの顔」と言えます。
――刊行するに至った経緯は?
中村 近年DXが注目され、デジタルテクノロジーを使って企業を強くしよう、生産性を上げようという取り組みが続いていますが、実際に成果が出ている企業は多くはありません。なぜなのか。そこで成長企業のソフトバンクに注目しました。DXを自社内で昇華してノウハウを育て、それを事業として外販しているのです。
オープンな仕組みをつくり、データを重視・活用してスピード感を持って動くことを徹底し、成果につなげているのは興味深い。こんな大手企業のDXにもソフトバンクが関わっていたんだという驚きもあります。
上野 ソリューション事業やDX支援の事例を取材いただき、皆さんが思っていたイメージとは違う驚きを感じていただけると思います。ソフトバンクの関連書はいくつか出ていますが、法人事業にここまで光を当てていただいた類書はありません。
ソフトバンクへの先入観を覆す
――本書の読みどころは?
中村 ソフトバンク自身がデジタルテクノロジーやDX分野で具体的にどんなことをやって強くなってきたのか、質の高い営業力の秘密が理解できる本となっています。教科書的ではなく、実際にどのような事業分野でデジタルの力を使い、どんなことをやれば成長につながるのかを具体的にイメージできる内容です。
上野 ぜひ、先入観を持って読んでみてほしい。「ソフトバンクってこんな会社だな」、「法人事業といっても携帯電話を売っているだけでは?」というイメージが、本書を読み進むにつれて「ちょっと思っていたのと違う」と覆っていく感覚を楽しんでもらえたらうれしい。
ユーザーとして、パートナーとして
――本書を通じて何を読み取ってもらいたい?
中村 幅広い読者に、こんなおもしろい会社があるんだと感じていただける内容に仕上がっています。事例で紹介している企業が何をどう変え、そこにソフトバンクは何を提供したのか、具体的な取り組みからいくつも発見があるのではないでしょうか。
意外な事実も多く、新たなアイディアを得るヒントにもなる。デジタルテクノロジーを使ってこんなビジネスが育ち、こんなことも解決できるんだと、新鮮な驚きや可能性を感じていただけるはずです。
上野 ノウハウ本を読むように「自社でも活用できるのか」というのが一つの視点。また、現場でDXを推進している人、自社で新規事業を考えている人、課題を抱えている自治体にとって、それぞれの課題解決に一緒に取り組むことができるビジネスパートナー候補として読み取るというポイントもあるでしょう。「まずはソフトバンクに」と考えていただけるきっかけになればと期待しています。
本書を通じてソフトバンクの法人向け事業を知ってもらい、さらにそこから一歩進んで、直接会って話を聞いてもらえる、そういう機会につながればと考えています。
― 書店担当者に向けて ―
通信大手3社の一角を担うソフトバンクの、知られざる「もう一つの顔」をひも解く書籍です。ソフトバンク関連書籍は他にも多く出版されていますが、それらとは違うBtoB事業に焦点を当ててソフトバンクを分析しています。ビジネス書エリアの中でも経営や企業・産業分析コーナーや、DXに関する記述も多いのでDX関連書籍の近くなど、広く展開をご提案したいです。
書籍販促としては、「日経ビジネス」電子版内のタイアップ記事掲載、「日経コンピュータ」での書籍広告を予定しています。
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