創作集団プロミネンスと株式会社岩崎書店は4月12日、東京・千代田区の出版クラブ会館で、第37回福島正美記念SF童話賞の贈呈式を開催。大賞『ぼくがぼくに変身する方法』のやませたかゆき氏と佳作『ループ事件のなぞを追え!』の浦川大正氏に賞が贈られた。大賞作品は8月に同社から刊行される。
応募総数185編から1次選考で16編が選ばれ、2次選考で6編、最終選考で大賞と佳作を選んだ。
大賞を受賞したやませ氏は1962年生まれ、北海学園大学卒で、北海道小樽市在住の会社員。前回同賞で佳作を受賞している。佳作の浦川氏は1992年生まれ、九州産業大学卒で、福岡県福岡市在住の会社員。
あいさつに立った創作集団プロミネンス代表の後藤みわこ氏は「私自身が賞をいただいてから四半世紀。それまで私は書くのが好きで応募している主婦だったので、何もわからないスタートでした。でも分からないことは編集者が教えてくれて、いろんなことを覚えていくことができました。これから編集者と一緒に本を作るという新しい未知の体験していただけるといいと思います」と言葉を贈った。
大賞のやませ氏は、「前回は佳作であったことと、贈呈式がオンラインであったことがとても残念でしたが、今回は晴れて大賞受賞者として贈呈式に招いていただき大変嬉しく思います」と喜びを語った。
浦川氏は「学生時代から小説を読み書きするのが好きで、応募もして作家に憧れていろいろやっていましたが、結果の出ない挑戦をすることが辛くて目を背けていた時期もありました。ですが、今回佳作をいただけて、やはり好きなこととは向き合っていくべきだというメッセージだと思っています」と述べた。
最後に岩崎書店・小松崎敬子社長が「当社は今年 90 周年。創業者の岩崎徹太が出版社を起こしたのが戦前で、敗戦で日本が焦土と化した時に、大事なのは子どもだと、子どもの本の出版に切り替えたと聞いています。その精神は今の当社にも脈々と生きています。最近、子どもがあまり本を読まなくなったと言われますが、私たち児童出版に従事するものとして、良いものを出すことを重視しなければならないと思っています」とあいさつした。
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