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光文文化財団  第26回光文三賞 日本ミステリー文学大賞ら三賞を贈賞

左から斎堂氏、今野氏、横山氏

 光文文化財団主催、光文社後援の第27回光文三賞(日本ミステリー文学大賞、同新人賞、鶴屋南北戯曲賞)の贈呈式が3月22日、東京・千代田区の帝国ホテルで開催された。日本ミステリー文学大賞には今野敏氏が、同新人賞は『燃える氷華』(『警察官の君へ』を改題)を書いた斎堂琴湖氏が、鶴屋南北戯曲賞は『モモンバのくくり罠』を書いた横山拓也氏がそれぞれ受賞した。

本来の贈賞式を4年ぶりに開催


 冒頭、巴一寿理事長(光文社代表取締役社長)があいさつ。新型コロナウイルス感染症の影響で、「第23回から25回までは関係者のみで、昨年は招待する枠を限定して開催したが、今回は久しぶりに本来の形で開催できる」と喜びを語り、「ミステリー文学大賞と演劇の懸賞を通じ、わが国の文化の発展に少しでも寄与できるよう尽力したい」と話した。

 受賞者3人の表彰のあと、選考委員の代表者からそれぞれ講評が行われた。大賞について佐々木譲氏は、「今野さんは、長いキャリアのなかで本当に幅広い分野で活躍しているが、かつてはサブジャンルの一つに過ぎなかった警察小説をメインストリームに押し上げたのは今野さんの功績だ」とし、「警察官は公務員であるとし、その活躍や人生の喜怒哀楽を描く点で傑出している。今野さんの小説は他の追随を許さない」と絶賛した。

 続いて湊かなえ氏が、欠席した辻村深月氏の講評を代読した。西堂氏を強く推していたという辻村氏は「今作の魅力は、スケールの大きさやミステリーとしての複雑な構成にあるものの、私が最も引かれたのは、言語化するのが難しい“いびつさや危うさのような部分”だ」とし、「斎堂さんの作品を読むのは2度目だが、何度も応募していたとのこと。受賞してくださってありがとう」と述べた。

 戯曲賞について、報知新聞社の内野小百美氏は、「初めは、候補作6作のうち3作の三つ巴となったが、そのうち1作はその方のベストワンではないのではないか…ということで、2作の一騎打ちになり、5度目のノミネートである横山さんが僅差で受賞となった」と明かした。

 受賞者の今野氏は、「昔から海外の警察小説を夢中で読み、『こんな本が日本にもあればいいのに』という思いで書きはじめ、気が付いたらこの年になっていた」と吐露。「この先何年書けるかわからないが、書き続けることでこの賞やミステリーへの恩返しになるのでは」と話した。

 斎堂氏は、「何年も投稿を続けていたので、先生方をはじめ多くの方に何度も何度も作品を読んでもらっている」とお礼を述べた。また、「(会場で)スマホを構えている友人たちにも心からありがとうと言いたい」と応援し続けた人たちへ感謝を述べた。

 横山氏は、「(会場にいる)俳優やスタッフの皆さんをはじめ、本当にたくさんの人に支えられてやってこられた」と感謝を述べ、「(ノミネート)5度目でやっと受賞したと安心していたが、ここからは気持ちを一に戻して執筆を続けたい」と決意を新たにした。

 贈賞式のあとは関係者による祝賀会が行われた。受賞者には正賞としてシェラザード像(作・御正進)が贈られ、副賞として、大賞に300万円、新人賞に500万円、戯曲賞に200万円がそれぞれ贈られた。

今野氏(中央)と審査員の皆さん
斎堂さん(右から2番目)と審査員の皆さん
横山さん(右から4番目)と審査員の皆さん

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