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日経BP・マガジンハウス 共同拡販企画スタート 『冒険の書』と『漫画 君たちはどう生きるか』

拡材を使って大きく展開

ティーン向け好調2作品でコラボ

 日経BPが今年2月に発刊した『冒険の書 AI時代のアンラーニング』(孫泰蔵、8刷9万部・電子含む)と、マガジンハウス刊で220万部(38刷)のロングセラー『漫画 君たちはどう生きるか』(原作・吉野源三郎/漫画・羽賀翔一)がタッグを組んだ。7月14日公開の宮崎駿監督によるスタジオジブリの最新映画「君たちはどう生きるか」(東宝系)の盛り上がりに期待し、共同で拡販企画「10代から読みたい 時代を超えた感動の書」を7月に入りスタート。すでに書店では共同拡材の販売台やパネル、POPで展開が始まっており、「こうした共同企画は珍しく、好意的な反応を得ている」という。

 今回のコラボは、『冒険の書』担当編集の日経BP・中川ヒロミ日経BOOKSユニット長補佐兼日経BOOKプラス編集部長が、日ごろから親交の深いマガジンハウス・永田滋友営業部係長に同書を献本したことをきっかけに、両書籍が若者に伝えようとするメッセージに共通する点が多いことから、コラボ企画が浮上。

 『冒険の書』は日経BP社内でもファンが多く、交通広告やネットメディアへの仕込みなど、高い熱量で販売に取り組んできた作品で、映画公開までに10万部達成を目標とし、5月にマガジンハウス側に共同企画を提案した。

 一方、『漫画 君たちはどう生きるか』は17年夏に発刊し、翌年には200万部を達成。以降も安定して版を重ね、今年に入り、同名映画への注目度が高まるとともに販売が活発化している。

 マガジンハウスの永田氏は、「両書籍とも制作に3年、4年かけ、納得いくまで作り込み、子供向けに真正面から取り組んでいる点でも似ているものを感じた」という。戦争やAIの進展によってこれまでの常識や仕事、勉強に対する価値観が変わり目を迎えるなか、自分にとっての価値を自ら考え、前に進もうというメッセージにも共通点がみられる。

全国紙への共同出稿も展開

 両社では販売台やパネル、POPを用意するほか、全国紙への共同出稿も展開。日経BOOKプラスでは『漫画 君たちは~』を描いた羽賀翔一氏と『冒険の書』の著者・孫泰蔵氏による本の共通点を探る対談や、マガジンハウス特設サイトなどでコラボ企画の周知を図っている。すでに600店舗程度の書店に拡材を発送済みで、展開が始まっている書店も増えており、さらに協力書店を募っている。

 『冒険の書』はビジネス書、『漫画 君たちはどう生きるか』は児童書での展開が多く、それぞれの得意分野の違う両銘柄にとって新たなコーナーでの展開にもメリットがある。今後も両書の動きを見て、さらなる取り組みも検討しているという。

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