大阪で開催される出版界の商談会「BOOK EXPO 2023秋の陣」。今年は「さあ、ここからだ!書店人」をテーマに11月7日、大阪・北区のグランフロント大阪に、関西の書店人を中心に全国から出版関係者が集結する。2020、2021年は新型コロナウイルスの影響でと中止を余儀なくされた。3年ぶりの開催となった昨年も出展社数やイベントを制限した縮小型となったこともあり、大垣全央実行委員長(大垣書店)は、「BOOK EXPO の完全復活」と意気込み、準備万端に当日を迎える。大垣実行委員長に今年の概要や出展社、書店へのメッセージを語ってもらった。
――昨年を振り返って。
コロナ禍による臨時休業などスタッフを減らさざるを得ない店もあり、当日、店を抜けられない書店人が多かった。また、人気コミックスの発売日と重なった点も来場者数に影響したかも知れない。しかし、2年、中止が続き、昨年も直前まで開催が危ぶまれたが、みなさんの協力のおかげで滞りなく終えたことに安堵と感謝の気持ちでいっぱいだった。
――今年のテーマに込めた思いは。
北山耕三実行委員(恵文社)を中心に「本屋の可能性はまだまだこんなものじゃない!」、「リアルの店頭から新しい風を吹かそう!」の思いからこのテーマに決めた。
ハイレベルなPOP技術
――例年好評の「西日本POP王決定戦」について。
今年も多くの応募があり、数だけじゃなく、レベルの高さに驚かされる。審査員の1人として見させてもらったが、あのスキルはすごい。書店のスタッフに若い人が増えているのだろうか。それならとても喜ばしいこと。
――出展出版社は200ブースを超えている。
本当にありがたい。みなさん、コロナで営業に出向けなかったこともあり、リアルで書店に会いたがってくれている。うれしい悲鳴だが、会場が満杯でお断りをした社もあるほど。昨年から書店の要望もあり、個性豊かな「ひとり出版社」にも声を掛けるなど年々、希望出展社が増えている。書店側も新しい商品との出合いにつながっている。
海外からも視察予定
――関西以外からの来場者も多い。
毎年、東海地方や西日本地域の書店はたくさん来られる。今回は、東京で版権説明会に出席した海外の出版社が関西に立ち寄り、BOOK EXPOを視察に来ると聞いた。日本の出版界、まだまだ元気だというところを見せたい。
――直前の気持ちは。
一般ブースとコミックブース、2つのスタンプラリーを用意、絵本作家の鈴木のりたけ先生を招き、講演会とサイン会をしていただくなど盛り上がり必至のイベントも再開する。まさに「BOOK EXPOの完全復活!」という心境。
新しい出合いに期待
――出展社に向けて。
例年、販売会社に協力いただき、各社の取引書店に呼びかけてもらっている。今年は一般的な取引をしていない独立系書店にも声を掛けたので個性的な書店も来場するだろう。自社の商品とマッチする新しい出合いも期待できる。有意義なビジネスの場にしてほしい。
――書店に向けて。
普段、店頭に置いていない本や第三商材を仕入れてみて、小ぶりのイベントを開催したり地域の方々に集まる場を作るなど、地域に欠かせない存在であり続けてほしい。書店がなくなるというのは、文化のインフラが失われるということ。子供からご年配まで地域の方々にとって必要とされる書店を維持すること。「紙の本」を中心に楽しく考えていけば可能性が広がります。
――最後に。
2年の中止と、昨年の縮小バージョン。3年分を取り返す。来場者1000人、成立商談額1億円を目指す。
――ありがとうございました。
【BookLink】BookExpo特集号
BOOK EXPO 2022 会場風景
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