東京都書店商業組合は5月20日、第48回通常総代会を東京・千代田区のホテルメトロポリタン エドモントで開催し、2024年度の事業計画などを承認した。組合員数の減少や書店経営をめぐる諸課題がある中、今年度も組合員同士が互いに力を合わせて各種施策に取り組んでいくことを確認した。
冒頭、矢幡秀治理事長(真光書店)があいさつ。「気になっているのは出版輸送の問題。私たちは東京都内にお店があるので大きな関わりはないかもしれないが、いつどうなるか分からないのは不安だ。取次会社も改革を進めているが、私たちは現在の出版輸送を維持することはもちろん、課題の解決、さらなる発展を求めていきたい」との考えをあらためて示した。
また、「街の本屋さんを元気にして、日本の文化を守る議員連盟」の活動にも触れ、「私たち組合の目標は書店存続のための利益確保。書店を守る機運が高まっている中、キャッシュレスや図書館の問題など課題が山積するが、一つでも(解決が)実現できるよう取り組んできたい」と協力を呼びかけた。
さらに、今年度末で組合員数が225、店舗数251となっていることについて、「組合員数は減る一方で、支部自体が成り立たないところも出てきている。支部の再編やエリア会の活用などが必要になってきている。組合存続を皆さんにも一緒に考えていただきたい。200を切ると総代会ができなくなり、総会となる。これは2~3年のうちに起こりうることだと思っている。事務局ではそうなったときのことも考えていかなければならない」と語った。
そのうえで、「今年度末でこの組合も〝無借金経営〟となる。これによって少しずつ資金を貯めていくこともできるし、皆さんへの還元も考えていきたい」と報告した。
議事に入り、2024年度の事業計画を決定。事業・増売委員会では「増売運動の積極的な展開、良書出版物の推薦」を引き続き実施。組合の貴重な収入源である読者謝恩図書カード事業の販売拡大に努める。読者謝恩図書カード広告協賛各社の商品は、全組合員参加型で増売に取り組んでいくとした。
また、経営改善ワーキンググループでは、昨年に取次各社や大手出版社を訪問して書店の窮状を訴えたが、引き続き、書店の経営が向上する方策を検討していく。粗利30%以上の確保は訴え続けていく。
再販・発売日・取引改善委員会では、各種統一休配日の検討、不公正取引・流通改善の対策に引き続き取り組むほか、キャッシュレス手数料の問題についても注力する。
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