G.B.は7月2日、東京・中央区のKable Lounge Bookで、同18日に取次搬入発売する予定の『SHELF LIFE(シェルフ・ライフ)―カイロで革新的な書店を愛し育て、苦悩した記録』の刊行記念トークイベント「THE POWER OF BOOKS~女性がつくる書店と出版社~」を開催した。
イベントは、同書の著者であり、エジプトの書店「ディーワーン」創業者のナディア・ワーセフ氏をはじめ、モロッコの出版社「クルテ」&アートセンターの設立者であるヤスミナ・ナジ氏、そしてフェミニズムの本を届ける出版社・書店の「エトセトラブックス」の創業者である松尾亜紀子氏が登壇し、約40名の来場客の前にトークを繰り広げた。
3人はエジプト、モロッコ、日本の書店、出版状況について紹介したうえ、それぞれの活動内容について話した。社会情勢が不安定の中、女性が書店を経営することは困難でありながら、独立系書店チェーン「ディーワーン」を創業したナディア氏は「書店で本を展示する時に、違う本が積み重なる時にお互いが会話しているように思い、それを読者に紹介できるのが非常に素晴らしい」と書店経営の魅力を語った。
ヤスミナ氏は、アートセンターでもある出版社「クルテ」では、書籍だけではなく、アートにも通じて、言葉では表現しきれない女性の声を社会に届けることを目標としている。一方、日本で活動している松尾氏は、エトセトラブックスを創設した理由について、フェミニズムは国内では文化的な抑圧がまだある状況で、フェミニズムの本を幅広く出版し、フェミニズムとジェンダーの意識を日本で根付かせることを目指すと話した。
同書はナディア氏が2021年にアメリカで出版したものの翻訳版となる。アメリカで出版後、イギリス、フランスなど12ヵ国で出版。日本は13カ国目となる。同書では、男性優位のエジプトで、同氏が後にエジプトを代表する独立系書店チェーン「ディーワーン」を創業し、成功に導く過程を綴っている。
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