2023年度朝日賞、第50回大佛次郎賞、第23回大佛次郎論壇賞、23年度朝日スポーツ賞を受賞した計7人1団体に対する合同贈呈式が1月26日、東京都千代田区の帝国ホテルで開かれた。朝日新聞文化財団と朝日新聞社の主催。文学者や研究者、企業関係者ら約330人が集まる中、受賞者らは喜びのスピーチに臨んだ。
1929年に創設された朝日賞は、学術や芸術などで傑出した業績をあげた個人や団体に贈られる。大佛次郎賞は優れた散文作品を顕彰し、大佛次郎論壇賞は政治・経済・社会などへの秀でた論考が対象。朝日スポーツ賞はスポーツで優れた成果をあげた個人・団体を表彰している。
今回の朝日賞は戒能民江氏(法学者)=女性の人権を守る法整備への長年にわたる貢献=、島薗進氏(宗教学者)=新宗教、国家と宗教、グリーフケア研究への貢献=、倉谷滋氏(理化学研究所主任研究員)=脊椎動物の体の形づくりと進化プロセスの研究=、宮坂力氏(桐蔭横浜大学特任教授)=ペロブスカイト太陽電池の開発=に贈られた。
大佛次郎賞は平山周吉氏(雑文家)の『小津安二郎』(新潮社)、大佛次郎論壇賞は五十嵐元道氏(関西大学教授)による『戦争とデータ 死者はいかに数値となったか』(中公選書)が選ばれた。
朝日スポーツ賞は第5回ワールド・ベースボール・クラシックで優勝した野球日本代表「侍ジャパン」と、陸上世界選手権大会の女子やり投げで日本勢初の金メダルを獲得した北口榛花選手(式には動画出演)に贈られた。
このうち、戒能氏はスピーチで「困難を抱えながら傷つけられ、命を奪われた女性たちや子どもたちの魂に祈りをささげるとともに、生き抜いたサバイバーの方々にも敬意を表したい」と語った。
宮坂氏は「今も日本は研究の先端に立っている。絶対に国内生産を実現させたい」と話し、平山氏は「小津安二郎の生誕120年と没後60年、大佛次郎賞が50回という節目に受賞できて大変うれしい」と述べた。
監督として侍ジャパンを優勝に導いた栗山英樹氏は「中心となる選手が人のために全力を尽くしてくれたのが勝因だった。人があんなに一生懸命になると、こんなに感動するんだって思った」と振り返った。
受賞者には朝日賞が正賞のブロンズ像と500万円、大佛賞と論壇賞は賞牌と200万円、スポーツ賞はレリーフなどがそれぞれ贈られた。
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