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【2024年 本屋大賞】宮島未奈『成瀬は天下を取りにいく』(新潮社)に決定

 第21回「全国書店員が選んだ いちばん!売りたい本 2024年本屋大賞」の発表会が4月10日、明治記念館で開かれ、宮島未奈『成瀬は天下を取りにいく』(新潮社)が大賞に決まった。一次投票では全国530書店から書店員736人、二次投票では342書店から書店員443人の投票があった。

 著者の宮島さんは1983年・静岡県富士市生まれ。滋賀県大津市在住。京都大学文学部卒。2021年に「ありがとう西武大津店」で第20 回「女による女のためのR-18 文学賞」大賞、読者賞、友近賞をトリプル受賞。同作を含む『成瀬は天下を取りにいく』でデビューした。

 2023年3月17日に発売された同書は、デビュー作ながら「坪田譲治文学賞」「静岡書店大賞」「キノベス!2024」など数々のブックアワードに輝いた。「2024年本屋大賞」受賞で14冠、現時点で14刷40万部突破の大ヒット作となっている。

翻訳小説部門1位 韓国小説『ようこそ、ヒュナム洞書店へ』

 翻訳小説部門の第1位は、ファン・ボルム(著)牧野 美加(訳)『ようこそ、ヒュナム洞書店へ』(集英社)が選ばれた。同賞は今年1年に日本で翻訳された小説(新訳も含む)の中から「これぞ!」という本を投票で選出したもの。

 韓国で累計25万部を突破したベストセラーである同書は、2023年9月に日本語版が刊行。韓国ソウルの小さな書店を舞台にした心温まるストーリーが人気を呼び、現在6刷と売れ行きを伸ばしている。

発掘部門1位 井上夢人『プラスティック』

 発掘部門の第1位は、井上夢人『プラスティック』(講談社)となった。同賞はジャンルを問わず、2022年11月30日以前に刊行された作品のなかで、時代を超えて残る本や、今読み返しても面白いと思う本をエントリー書店員が一人1冊選び、その中から「これは!」と共感した1冊を実行委員会が「超発掘本!」として選出したもの。

 同書の推薦者はページ薬局(大阪)の尼子慎太さん。推薦文の全文は下記の通り。

“意味深なタイトルに魅入られて、手に取った作品。”
 もう30年前の作品で、フロッピーディスクやワープロなど、令和の時代ではピンとこない人達もいるであろう単語が並ぶ作品ですが、主婦である向井洵子が遭遇する奇妙な出来事から、謎が謎を呼ぶその展開は、今読んでもガツンと脳みそに突き刺さる衝撃がありました。
 小説だからこそ味わえる衝撃は、時代に関係なく共有できるはず。そのパワーを確信できる驚きがこの作品にはあります。
 僕が味わったこの衝撃を、令和の時代でも共有出来るのか、本作品を通じてチャレンジしてみたいです。


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