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アメリカの独立系書店、前年比200以上増加 書店団体(ABA)が年次レポート発表

 アメリカの独立系書店による団体American Booksellers Association (ABA)が発表した年次レポートによると、ABA会員数は2023年に企業数、店舗数とも前年より250以上増え、企業数で255社増の2433社、店舗数で251店増の2844店になった。

 ABAの会員数は09年から毎年増加を続けており、19年は前年より272社、293店増、コロナ下の20年も275 社、287店増えている。同レポートによると23年にオープンした書店は、店舗が230、ポップアップが34、オンラインが18、移動(モバイル)が9の291、一方閉店は95だったという。

 期中のABAの主な活動は、2月に開催したウィンター・インスティテュートに独立系書店経営者900人をはじめ史上最多の1600人以上が参加。独占禁止法やベストビジネスプラクティス、禁書などのテーマで会議が行われた。

 6月にはやはり史上最多の約700人が参加してチルドレンズ・インスティテュートを開催。児童書市場の現状やビジネス戦略、ブックフェアのための電子商取引などのテーマを取り上げた。

 会員への教育プログラムに最も力を入れるABAは、これらをはじめ会員に向けて年間100以上のオンライン教育およびネットワーキングイベントを提供したほか、書店経営者向けの教育ポッドキャスト「BookED」や、会員向けのリソースライブラリなどを導入した。

 また政策提言では、クレジットカード競争法の成立などを目指してロビー活動を実施。連邦取引委員会(FTC)との対話を進め、白書がAmazonに対するFTC訴訟の立ち上げに寄与したという。

 アメリカ各州で問題となっている禁書に対しては、表現の自由を擁護する活動を展開。政策チームを拡充し、書店経営者向けに「読む権利ツールキット」を作成。会員に直接影響を与える約30件の検閲・言論の自由に関する法案に反対し、会員書店による地元での反対活動も支援した。

 ABAは1900年に設立されたアメリカの独立系書店が加盟する業界団体。最盛期は会員数が7000ほどあったが、バーンズ&ノーブルをはじめとした大手書店チェーンやディスカウントストアの書籍販売拡大の影響で、一時は会員数が1600ほどに減少。しかし、09年を境に会員数は増加を続けている。

 創業支援なども含む組合員への教育、大手書店やAmazonなどと対抗するため公正取引を求めるロビー活動、言論の自由擁護、組合員に向けた電子商取引(EC)プラットフォームの運営、「独立系書店の日」の運営やベストセラーリスト、推薦本の作成などのマーケティング活動を展開している。

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