大阪で年々盛り上がりを見せる出版界の大商談会「BOOK EXPO 2024」が11月12日、大阪・北区のグランフロント大阪「コングレコンベンションセンター」で開催される。今年のテーマは「よし、乗り越えろ! 書店人」。一般書、コミック、児童書、第三商材など209社、220ブースが出展する。
昨年はコロナ禍後で初めて人気作家のイベントなどが再開されたこともあり、多くの書店員が来場し、商談成立額は7000万円を超えるなど、BOOK EXPO完全復活を印象付けた。
今年はBtoBの会として商談に集中できる環境を整え、出版社にはおすすめ本や販促情報の提供を、書店には来場のメリットを強く訴えかけている。大垣全央(大垣書店 代表取締役社長)実行委員長に、商談会の概要や書店・出版社へのメッセージを語ってもらった。
――昨年の商談会を振り返って。
昨年は阪神タイガースも日本一になって関西は大いに盛り上がり、BOOK EXPOにも書店員さん、出版社さんにたくさん来ていただいた。まさに完全復活といえる。とくに、書店の店舗数が減る中で、なんとかやりくりして来場いただいた書店の皆様には感謝している。
――今年のテーマに込めた思いは?
現状が厳しいのは間違いがない。そうした中で、今こそ紙の本と書店員の力を示したい。とにかく、皆でがんばろうという思いを込めている。当日も、昨年を上回る来場者があると期待しています。
また、以前から「イベントで商談が止まってしまう」との声もあり今年は商談に集中してもらうため、会場内でのイベント開催を減らしました。店の売上げにつながる熱い商談を期待しています。
――出版社に向けて。
多くの書店から、「思うように新刊情報が入らない」、「新刊配本に課題がある」との声を聞きます。商談会場ではぜひ、おすすめの新刊をご紹介いただきたい。
また、大きなイベントの開催が難しい店でも、店頭にお客様を呼ぶことができるイベントやサービス、販促品の提案をご用意いただければありがたい。
――書店員に向けて。
書店の現場からは、「限られた人員のため店頭から離れられない」といった声も聞こえてくるが、多くの出版社から満を持して出した本、そして情報を持ってきていただいているので、ぜひ足を運んでもらいたい。とくにコミック出版社からは過去最大のノベルティやスタンプラリーのプレゼントを用意していると聞きます。ぜひ、短時間でも会場を回ってほしい。それだけの価値があります。
――実行委員長としての意気込みを。
今年は実行委員に新しいメンバーが何人も加わり、現場の方々の声もたくさん拾いながら実のある商談会にしたい。また、BOOK EXPOの目玉でもある「西日本POP王決定戦」は年々レベルが上がっており、今回も感動で涙が出るような出来栄えに驚かされます。多くの作品を見ていただけるように、今年は可能な限り展示を広げたいと考えています。
BOOK MEETS NEXTの一環事業でもあり、この会場から業界を元気にしたい。書店・出版社の皆様とともに、関西から全国へ元気を伝えましょう。
――ありがとうございました。
【開催概要】BOOK EXPO 2024
日時:2024年11月12日(火)11:00~17:30
10:30受付開始 / 10:40開会セレモニー
会場:大阪市・グランフロント大阪 北館地下2階
ナレッジキャピタル コングレコンベンションセンター
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