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光和コンピューター、NTT EDX、大日本印刷 出版ERP×教科書選定DB連携プロジェクトでセミナー 来春の大学教科書販売に向け実証実験

出版社など168名がリアルとオンラインで参加した

 株式会社光和コンピューターと株式会社NTT EDX、大日本印刷株式会社は8月8日、大学教科書採用・購入の促進に向けた「教科書選定DB 第2回セミナー『専門書』の現在地~出版情報の活性化・流通促進の為に」を開催。今後予定している実証実験への協力などを呼び掛けた。

 セミナーは会場とオンラインのハイブリッドで開催。出版社85社をはじめ98法人から168人が参加。第1部で株式会社紀伊國屋書店教科書販売支援センター長の竹林一夫氏が「教科書販売の現状と課題」を解説。第2部で光和コンピューター事業企画室長の野田透氏が「『出版ERP×教科書選定DB』連携プロジェクトの提案」を行った。

紙、電子、PODで教科書提供を

 冒頭、光和コンピューター・寺川光男社長は「出版社には紙、電子、PODの3つでコンテンツを大学の教員や生徒に展開することが問われている。それを実現するために教科書選定DBはなくてはならない業界インフラ。NTT EDXとは教科書選定DBと出版社基幹システムをつなぐソリューションを案内していきたい」とあいさつ。

 紀伊國屋書店・竹内センター長は、大学教科書販売について、かつての対面販売からオンライン販売への変化がコロナ禍で急激に進んでいる状況や、大学教科書販売の特殊性や課題などについて報告。課題解決のため、個配から学校への一括発送、電子教科書への切り替えなどを進める必要があるなどと指摘した。

 続いて、教科書選定DBを提供するNTT EDIXの盛田宏久氏が、教科書選定DB・電子教科書UniTex配信事業について説明し、出版社や学生の声を紹介。紙版教科書の場合、出版社からは用紙高騰の影響や、少部数で対応できない、重版で苦慮している、フリマアプリの影響、POD対応などの声があり、学生側は授業がレジメ中心になっていることや、紙と電子への希望が拮抗している点などを報告。

 野田室長は、3社で連携する「出版ERP×教科書選定DB」プロジェクトについて、「当社は出版社の書誌データ・販促データ・在庫データなどを出版ERPシステムに集め、DNPはPOD用データを管理する。これらデータを教科書選定DBに販売支援ステイタス情報として提供する」と説明。

刊行予定情報や在庫状況も反映へ

 教科書選定DBで、刊行前の刊行予定情報を表示して教員が選定に役立てたり、在庫状況から電子教科書、紙教科書、POD教科書それぞれを推奨することなどが可能になると述べた。

 3社は2024年春の教科書販売期に向けて、倉庫会社、出版社と連携して実証実験を予定。野田氏は「9月には実験の準備に着手する」と述べ、セミナー参加出版社に向けて実験への参加を呼び掛けた。

 最後に株式会社NTT EDX代表取締役社長の金山直博氏が「紙・電子にかかわりなく大学教科書が使われなくなっている事実がある。電子はもちろん、紙も含めて教科書を利用いただくことを出版社、教科書販社と考えていかなければならない。電子教科書採用によって購入率がアップしている事例もある。いかに紙と電子のバランスをとるかなどを考え、業界全体として採用率、購入率を高めていきたい」とあいさつした。

 3社は今後、10月に第3回、12月に第4回のセミナーを予定している。

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