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開店意欲減退で書店数減に拍車 大手取次の取引書店推移で開店数減少顕著に

 大手取次トーハンと日本出版販売(日販)の取引書店開店・閉店推移から、ここ数年開店数が大幅に減少していることが本紙(文化通信)取材で分かった。閉店数・減床面積の高止まり傾向は続いているが、むしろ書店の開店意欲が減退していることが書店数減の大きな要因になっているようだ。

 両社の取引書店のうち、本の売り場が20坪以上ある店舗について、開店数とそれに伴う増床面積、閉店数とそれに伴う減床面積を、取引変更(帳合変更)は含まずに2008年から2022年までの年度で集計した。

 このうち、両社を合わせた開店数は17年まで3ケタ台だったが、18年度に86店、19年度は80店、21年度と22年度は65店と減少幅が急速に大きくなっている。20年度以降はコロナ禍の影響も考えられるが、それ以前から両社取引先とも開店の勢いが落ちていることがわかる。また、この中で書店業への新規参入による開店は、いずれも数店から10店ほどにとどまるという。

 18年以降の開店が低調な背景には、書店が入居するショッピングセンターなど商業施設の新設が少なくなっていることや、賃料水準が上がって書店閉店後に他業種店舗になるケースが増えたといった要因もあるようだが、書店の経営がますます厳しくなる中で、書店事業への参入や事業拡大の意欲が急速に衰えているといえそうだ。

 一方、閉店数は全体の分母が縮小する中でむしろ減少傾向にあるが、両社とも年間100店を超える水準にある。

 両社の数字を合わせた差し引きでこの間に2549店、8万2942坪が純減したことになる。なお、両社の数字には、出版社からの直接仕入れや小規模取次から書籍を仕入れる個人書店などは含まれていない。

 書店の苦境を打開するために、取次各社は書店の粗利益率を増やすための出版流通改革を加速。大手書店が出版社との直接取引を拡大するなどの動きもある。また、自由民主党国会議員による「街の本屋さんを元気にして、日本の文化を守る議員連盟」が提言をまとめるなど書店支援の活動も広がりを見せる。こうした取り組みとともに、出版業界団体などが書店の開業を支援するといった新規参入を促す活動も求められそうだ。

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