トーハン「年末年始(2023～2024)店頭売上動向」　総合売上は前年比95.1％、客単価は101.7%と堅調

　トーハンが発表した「年末年始(2023～2024)店頭売上動向」によると、総合売上前年比は95.1％の前年割れ、年末三日間は98.5％まで持ち直したが、年始は90.7％まで急減した。能登半島地震による休業影響に加え、他エリアでも全般的に客足が鈍った。

　客単価は前年比101.7%と堅調で、平均定価の上昇傾向やコミック特装版等の高付加価値商品が売れ行き良好だった。集計期間は2023年12月29日～2024年1月3日、トーハンの取引書店1599軒のPOSデータ集計にもとづく。

　書籍は前年比97.1％で、3月に映画が公開される『変な家』（飛鳥新社）と新刊『変な家2』（飛鳥新社）、2023年12月に映画化された『あの花が咲く丘で、君とまた出会えたら。』(スターツ出版)と続編『あの星が降る丘で、君とまた出会いたい。』（スターツ出版）の売れ行きが良好だった。メディア化関連では、『ファミレス行こ。上』（KADOKAWA・書籍扱いコミック）なども伸張した。

　児童書は100.3％となり、年間ベストセラー総合1位の『大ピンチずかん』(小学館)と続編『大ピンチずかん 2』(小学館)、「第16回MOE絵本屋さん大賞2023」1位の『パンどろぼうとほっかほっカー』（KADOKAWA）などが上位に上がった。

　雑誌は93.0%で、定期雑誌が92.7％、ムックが93.6％。ムックは『NHK大河ドラマ・ガイド 光る君へ 前編』(NHK出版) などの大河ドラマ関連商品が販売上位となった。そのほか、人気コミック「ジョジョの奇妙な冒険」シリーズのファンブック『JOJO magazine 2023 WINTER』(集英社、本体1800円)、現在放送中の「仮面ライダーガッチャード」オリジナルトレカが付いた『宇宙船 vol.183』（ホビージャパン、本体2400円）などの高単価商品が売上を牽引した。

　コミックは86.7％と落ち込んだ。売れ行き上位には各社の12月発売新刊のほか、現在アニメが放送中の『葬送のフリーレン』（小学館）が上がった。特に同作は既刊も含めシリーズ全体で売上を伸ばしている。

　マルチメディアは105.3％と前年超えた。『シャーク＆Co.』『スーパー恐竜＆Co.』『もっちりフレンズ』(いずれもデアゴスティーニ・ジャパン)など、子ども向けフィギュア商品が上位に上がった。また、ご朱印帳が付属したMM扱いコミック『ちいかわ なんか小さくてかわいいやつ（6）特装版』（講談社、本体3000円）も高単価ながら注目の売れ行きとなった。

各ジャンル 販売 上位 25 銘柄 平均定価前年比

過去の年末年始実績