株式会社Nebraska(ネブラスカ)は2月7日、「東京インターナショナル・ギフト・ショー春2024」でセミナー「文具・書店の実例に見る店舗DXのこれから~無人営業化による次世代店舗像~」を講演し、代表取締役・藤本豊氏と同・横山卓哉氏がMUJINストアの成果を語った。さらに、無人営業化の新たなアプローチとして開発した選書AI「ほんださん」を紹介した。
有人と無人のハイブリッド営業で売上アップ
Nebraskは店舗無人化営業ソリューション「MUJINストア」を提供するスタートアップ企業。出版取次大手のトーハンと協業し、昨年から「山下書店世田谷店」と「メディアライン曙橋店」で無人書店の実証実験に取り組んでいる。
同ソリューションは〈セルフ化〉〈入店認証〉〈24時間稼働〉といった効率店舗化をパッケージで提案し、完全無人だけでなく、有人営業とのハイブリッド営業にも対応。無人営業時の入店で必要となるのは「LINE友だち」登録のみで、大規模工事を必要とせず、新規だけでなく既存店にも導入できる点を強みとしている。
山下書店世田谷店では10~19時を有人営業とし、夜間の19時~翌10時までを無人営業に切り替えたところ、2023年3月20日~7月31日の売上前年比が6.6%向上し、同時に販管費も7.9%の削減に成功した。
ゴールは無人で有人接客を超える
横山氏は実証実験について「赤字営業の時間帯を無人化し、日中はセルフレジによる業務効率化で、システム費用や24時間営業化に伴う光熱費の増加などを含めても全体ではコスト削減に成功した。営業利益は約4%アップしている。よくある質問として、万引きのリスクを聞かれるが、無人化後に被害額が増加することはなかった」と報告。 また、「時間帯だけでなく、定休日を無人営業化するなど、さまざまな形でハイブリッド営業ができる」と述べた。
藤本氏はデータとシステムを用いて、接客を自動化・個人最適化するとしたうえで「有人接客を超える接客・サービスの無人店舗」になることが目標だと強調。購買行動データやデジタル接点を活用して、「MUJIN接客」ソリューションの開発にも力を注いでいるという。
選書AI コンシェルジュ的サービス目指す
2月16日からNebraska(ネブラスカ)は、対話型選書サービス「AI選書のほんださん」の公開アルファテストを開始した。サービスはウェブサイトで公開され、誰でも無料で利用できる。「AI選書のほんださん」は個々の顧客ニーズや好みを聞いて、要望に合った本を3冊紹介する対話型AIサービス。「MUJIN接客」ソリューションの試験プロダクト第一弾にあたる。
選書AIの狙いについて「商品知識を持たせた対話型AIで、顧客一人一人の要望に沿った商品を提案し、マッチングすることで、売り手と顧客双方に有益かつ満足度の高い購買体験の実現を図る」としている。また、「MUJINストア/書店」との連携を含めた実店舗での活用、他業種への展開などを推進していく。
コメント