日経BPは4月16日、東京・千代田区の日経ホールで「2024日経特約書店会」を開催し、52特約法人、162特約店から会場とオンラインを含めて500人以上が参加。販売上位書店の表彰や、雑誌・書籍の企画説明などが行われた。
今年4月に就任した井口哲也代表取締役社長CEOは、「日本では企業や経営者のマインドセットに大きな変化が起きつつある」と述べ、マインドセットの転換によって日経平均株価が4万円台を突破する状況になったとし、「当社は日本社会のマインドセットを変えるようなビジネス書の出版に力を入れていきたい。本日紹介する新刊にもそういう本が多くあるので、ぜひ皆様の書店でも取り組んででいただき、共にこの成長を後押ししていきたい」とあいさつした。
続いて、書店への贈賞が行われ（別掲）、特約書店を代表して紀伊國屋書店・藤則幸男社長が登壇し、「昨年の法人特約店の販売金額は前年よりもシェアが4.8％増え88.5％に達した。まさに名実兼ね備えた特約書店会になった」と報告。
そのうえで「新刊ばかりに目を向けるのではなく、既刊、ロングテールもさらに力を入れて販売していく必要がある。日経BPの『ファクトフルネス』などは典型的な例。品揃え、接客、イベント、フェア、情報発信など様々な施策を用いて苦境を脱していきたい」とし、「書店同士はライバルではなく、目的を共有する仲間。他の書店でいい販売事例があれば、みんなで共有して広く売っていく活動をさらに強化していきたい」と訴えた。
企画説明として、『日経トレンディ』について澤原昇編集長、書籍企画について日経BOOKユニット第一編集部・赤木裕介部長が説明。日経BPマーケティング取締役リテール営業ユニット・橋田祐考ユニット長が販促について説明に立ち、「今年は顧客接点を大切にする。書店の意見を伺うため訪問したい」と述べ、新聞広告や鉄道広告の出稿予定、他出版社とのコラボ販促企画、既刊ロングセラーの帯変え施策などについて話した。
取次を代表してあいさつに立った日本出版販売・奥村景二社長は、石川県の珠洲市飯田町の取引書店いろは書店を訪問したエピソードを紹介し、「来年5月には店を建て直し、本屋をやるとおっしゃっていた。みんなで応援していきたい」と述べた。
また、投資への関心が高まっていることに触れ、「新たに投資を始めようと思った人が最初に行動するのは本、雑誌を読むが1位。当社のデータからも22年度から23年度にかけて投資関連本がビジネス書全体の売り上げを3ポイント上昇させている。知識を得るための手段として書籍、雑誌が生き残っている」と述べた。
この後、発売2週間で13万部に達している『転換の時代を生き抜く投資の教科書』の後藤達也氏が登壇し、日経BOOKSユニット長補佐兼日経BOOKプラス編集部長・中川ヒロミ氏を聞き手に講演。後藤氏は同書を執筆するうえで読者目線を大切にしたことなどを話し、SNSなどと書店の違いに触れ「本が書店に並ぶと関心がなかった人にも手に取ってもらえることを実感した。書店は読者層を広げてくれる」と話した。
懇親会ではくまざわ書店・熊沢真社長が乾杯のあいさつに立ち、書籍の粗利益が少ないことや、ネット通販の送料無料などの問題を指摘。最後に日経BPマーケティング・高柳正盛社長が中締めを行った。
贈賞書店
【売上金額賞】
単店部門＝丸善丸の内本店、紀伊國屋書店新宿本店、丸善日本橋店、ジュンク堂書店池袋本店、紀伊國屋書店梅田本店、三省堂書店有楽町店、ブックファースト新宿店、三省堂書店名古屋本店、丸善ラゾーナ川崎店、有隣堂横浜駅西口店
【売上金額伸長率賞】
単店部門＝ブックファーストアトレ吉祥寺店、京都大学生協書籍部ルネ、有隣堂グランデュオ蒲田店
法人部門＝REXT株式会社、株式会社須原屋、株式会社勝木書店
【個人賞】
単店・法人＝丸善丸の内本店・宗形康紀氏、三省堂書店有楽町店・澤柳由香氏、文教堂人形町店・大塚由郎氏、ブックファーストアトレ吉祥寺店・西脇健二氏、くまざわ書店調布店・金子圭太氏、TSUTAYA ＢＯＯＫ STOREららぽーとEXPOCITY店・飯室繁樹氏、三省堂書店関西営業所・飯田紀男氏
【特別賞】
ブックコンパスリテールカンパニー営業部ライフスタイルユニット、有隣堂公共・文教営業本部第二営業部、紀伊國屋書店神奈川静岡営業本部湘南営業部
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