第24回「読売・吉野作造賞」の贈賞式が7月21日、東京・千代田区の東京會舘で開かれ、受賞作『田中耕太郎』(中央公論新社)の著者・牧原出氏(東京大学先端科学技術研究センター教授)に、正賞の文箱と副賞300万円が贈られた。
関係者約100人が出席した式典の冒頭、読売新聞グループ本社代表取締役会長・主筆代理で、東京本社取締役論説委員長の老川祥一氏が「この賞が発展してきたのも、選考委員や言論界の皆さん、さまざまな分野の本を愛する方々の協力のおかげ。あらためて感謝したい」とあいさつ。
「これまで素晴らしい方々が受賞されてきたが、『評伝』という形の作品が受賞されたのは今回が初めて。日本の自由主義のあり方を考えるうえでも、田中耕太郎の行動の軌跡というものが、現代でも大変有益で参考になる」と評価した。
続いて、中央公論新社の安部順一社長が牧原氏に賞を贈呈。選考委員会座長の北岡伸一東京大学名誉教授も、祝辞および選評を述べた。
牧原氏は「これまで読売新聞紙面、中央公論新社の出版物には書きたいことを存分に書かせていただいた」と両社にあらためて感謝。「田中耕太郎という裁判官の評伝を書いたが、多岐にわたる分野のエピソードも豊富で、とても1人で書けるという人物ではなかった。今日はお世話になった方々をここに招待したが、皆さんと一緒に書き上げたと思っている」と語った。
なお、コロナ禍で中止されていた祝賀パーティーも4年ぶりに開催された。
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