日本出版販売(日販)は8月1日、丹青社と連携し、2023年秋に東京メトロの溜池山王駅構内に、持続可能な書店モデル実現に向けた実証実験として、完全無人書店「ほんたす ためいけ 溜池山王メトロピア店」をオープンすると発表した。
同社によると、全国的に書店軒数が減少しているなかで、「昨今、地方だけでなく首都圏の書店の閉店も急加速している。とりわけ駅ナカ・駅前立地では、人件費と賃料によって書店経営が圧迫され、その結果、閉店となってしまう例が多数見受けられる」と背景を説明。
そのうえで、「本来書店が成り立つ人口が多いエリア(駅)にもかかわらず閉店となってしまうことで、人々の書店ニーズを満たすことができなくなり、さらには、人々の生活動線上から本とのリアルなタッチポイントがなくなることによって、読書習慣が失われてしまうことにもつながる」との危機感があるという。
このため、日販は「現代の人々のライフスタイルに合った本との新たな出会いを提供し、人々のニーズを満たす、『完全無人』かつ『ライトユーザーにもやさしい店舗設計』の書店モデルの開発に挑戦」する。また、「空間づくりのプロフェッショナルである丹青社を開発パートナーに迎え、利用者に寄り添った体験構築を行う」としている。
まずは、東京メトロ溜池山王駅構内に1号店をオープンし、実証実験を通してモデルの確立に取り組む。将来的には、人件費の高騰や後継者不足といった書店が抱える課題に対するソリューションの一つとして、取引先に提案し、書店経営の持続性向上に貢献していく。
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