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【新潮文芸振興会】第37回「三島由紀夫賞」は大田ステファニー歓人さん『みどりいせき』 「山本周五郎賞」は青崎有吾さん『地雷グリコ』が受賞

山本周五郎賞を受賞した青崎さん(左)、三島由紀夫賞を受賞した大田さん

 新潮文芸振興会は、5月16日、東京都内で第37回「三島由紀夫賞」、第37回「山本周五郎賞」の選考会を開いた。各選考委員による協議の結果、三島由紀夫賞は大田ステファニー歓人さんの『みどりいせき』(集英社)、山本周五郎賞は青崎有吾さんの『地雷グリコ』(KADOKAWA)への授賞が決定した。

 選考結果発表会では、まず三島賞の選考委員を代表して松家仁之氏がコメント。全体的に点数が高く、良い作品が揃ったと総評される候補作品のなかでも、受賞作の『みどりいせき』は、「いかにも今風の小説のようでいて実はかなり骨太。勢いで書いたものではなく、周到に設計された作品で、文章や文体の構築度が高いという評価は選考委員全員が一致するところだった」と称賛した。

三島由紀夫賞の選考委員・松家氏

 大田さんは、同作で昨年のすばる文学賞を受賞し、作家デビュー。「自分が読みたいものを、自分が楽しむために書いた」作品だったと振り返る。今回の受賞のあいさつでは、家族をはじめ周りの人々への感謝を率直に語り、「自分の人生を見つめることと小説を書くことはつながっている。これからも、そのときの自分の問題意識にひっかかることを書いていきたい」と意欲を示した。

 続いて山本賞の選考委員を代表して小川哲氏がコメント。「選考過程は競った内容となったが、最終的には満場一致で青崎さんの『地雷グリコ』に決まった」と明かし、「コンゲームを、学園を舞台とした青春小説の枠に落とし込んでいるところが新しく、どの選考委員も『とにかく面白かった』というのが第一の感想。また、このような頭脳戦を文学の新しい潮流のひとつとして認めるべきという声があり委員全員の同意が得られた」と評価のポイントを語った。

山本周五郎賞の選考委員・小川氏

 『地雷グリコ』は、本格ミステリ大賞と日本推理作家協会賞を受賞しており、今回でトリプル受賞の快挙となった。受賞のあいさつに立った青崎さんは、「山本賞はそもそもノミネートされるのが予想外で、受賞は驚きに驚きが重なった形で、非常にびっくり」と第一声。この賞において青春小説としても高く評価されたことに触れ、「作品のコンセプトとして、ひとつ念頭に置いていたのがギャンブル漫画を青春小説のフォーマットに落とし込んでみようということ。その部分で認めていただきうれしい」と喜びを表した。続編を期待する声に対しては「今はほぼ未定だが、担当編集者と続編の話はずっとしていて、いつか書きたい」と目を輝かせた。

 三島賞、山本賞の贈呈式は6月21日に東京都内で開催予定。

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